ご縁に感謝「ベー・チェチョルコンサート」@ザ・シンフォニーホール
本日、2回目の更新です。今日はザ・シンフォニーホールで開催された「日野原 重明プロデュース 〜奇跡の歌声に乗せて愛と生きる力をあなたに〜ベー・チェチョルコンサート」に行ってきました。ベー・チェチョルさんは韓国出身のテノール歌手。アジアのオペラ史上最高のテノールと称されていたのに2005年秋、甲状腺癌に襲われ、声帯と横隔膜の神経を切断され、声と右側の肺の機能を失いました。しかし、彼の才能を惜しんだ日本人音楽プロデューサーが奔走。名医師 一色信彦さんによる手術が実現し、再び歌声を取り戻されたのでした。ベーさんの歌声復活に尽力した日本人プロデューサーが私の中学・高校時代の同級生・輪嶋東太郎さんだったということは2014年10月9日の日記に書いた通りです。今日のコンサートも、ザ・シンフォニーホールと輪嶋さんの会社による主催。ということで、高校の同級生とともに馳せ参じたわけです。伺った理由はそれだけではありません。このコンサートの第一部ではイベントをプロデュースされた日野原重明さん、おん年104歳ののトーク「いのちと平和 私と音楽」が聞けるということも大きな理由でした。以前から、ご著書や雑誌の連載などで一方的に存じ上げている日野原先生。実際のお姿を拝見したいじゃありませんか!楽しみで、楽しみで。開演すると、すぐに登場したのが輪嶋さん。コンサートの趣旨、ベーさん並びに日野原先生の紹介をされたあと、そのまま日野原先生のトークのナビゲーターを務められました。「徹子の部屋」ならぬ「東太郎の部屋」といったところでしょうか。輪嶋さんのトークはよどみなく、ユーモアがあるうえ、日野原先生への尊敬の念も伝わってくる素晴らしい司会ぶりでした。勉強になります!子供の頃のお話、戦争のこと、ベーさんとのご縁など多岐にわたるお話、あっという間に時間が過ぎました。日野原先生のお話の中で強く印象に残ったことは2つ。一つ目は「いのちは時間です」ということ。これは日野原先生が続けておられる小学生を対象にした「いのちの授業」でこどもたちに教えておられることなんですって。こどもさんに「命はどこにありますか?」と質問するとたいていのお子さんは心臓を指差すそうです。でも日野原先生は「心臓は血液を巡回させるポンプにすぎない」とおっしゃるのです。「いのちは目には見えません。 過ごしている『時間』こそ命なのです。 こどものあいだは、自分の時間を自分のためだけに使っていい。 だけど大人になったら、時間を人のために使ってくださいね」といつも教え諭していらっしゃるんですって。二つ目は「こんなにもお元気で長生きされている秘訣は?」という質問へのお答え。「生きがい、でしょうね」とても平易な言葉ではありますが、なんと深い意味を持つ言葉でしょうか。その言葉をベースにして考えると、失った声を取り戻し、再び歌うことができたベーさんは再び 人のために時間(命)を使うことができ、そして生きがいも取り戻したことになります。医師の日野原先生と、テノール歌手ベーさんのコラボはこういう意味の上に成り立っているのですね。そんなお話をお聞きした後のベーさんの演奏会、素晴らしかったです。賛美歌「輝く日を仰ぐ時」 「キリストには代えられません」 「主は我が羊飼い」ヘンデル「オンブラ・マイ・フ」ジョルダーニ「カーロ・ミオ・ベン」ヘンデル「涙流れるままに」カッチーニ「アヴェ・マリア」山田耕筰「この道」 「からたちの花」申貴福「面影」トスティ「君なんかもう、愛さない」 「ねんねんよう、私の坊や」 「四月」と、15分休憩を挟んで13曲を熱唱されました。アンコール曲は4曲「初恋」「アリラン」「アメイジング・グレイス」そして、日野原重明先生作詞作曲の「愛のうた」客席には、ベーさんの手術を担当された一色信彦さんもおられました。お客様の年齢層も、かなり高めでした。途中の休憩で、頬を上気させた おばあちゃまが「人のために時間を使う、いいお話を聞いたわ。 普段、どうしても自分が自分がって思うけども、 本当にそうよね。そうあるべきよね」とおっしゃっているのを聞いて、心が震えましたねぇ。ご高齢になっても、おしゃれをして、コンサート会場にでかけ、講演の内容に感動して、ご自分の生活態度を省みる…なんて柔軟で素敵なことでしょう。おそらく声には出さずとも、同じ思いをされている方がほとんどだったようす。また、幕間休憩に、握手していただいた日野原先生の手はすべすべして大きく、とても暖かく力強かったのですよ。とても104歳とは思えません。私たちなんぞ、まだまだヒヨッコ。日野原先生をはじめ、今日お越しの大勢の人生の先輩方のようになりたいものです。歌による感動だけではない、素晴らしい学びをもらったコンサートでした。もし同級生が関わっていなかったらこのコンサートがあることにも気がつかなかったかも。終演後、輪嶋さんにご挨拶に行きました。中学・高校の同級生なのによくよく考えると、面と向かって会話するのはこれが初めてかも知れない。人のご縁って本当に不思議です。感謝。【情報1】今日のコンサートはこのあと、東京、名古屋で開催されます。東京:5/10(日)@オーチャードホール名古屋5/14(木)@愛知県芸術劇場コンサートホール【情報2】この夏、8/4(火)に再び日野原重明先生プロデュースの素晴らしいイベントがあります。ベーさん、輪嶋さんをモデルにした映画「ザ・テノール 真実の物語」上映会。映画だけでなく、日野原重明先生、一色信彦先生のお話、そしてベーさんの歌と、もりだくさんな内容で料金が5,500円とは!一般前売りは5/25(月)からですって。是非是非!あ、映画「ザ・テノール 真実の物語」をみた私の感想はこちら。ご参考になさってください。「ワクワクそして涙 映画『ザ・テノール 真実の物語』」ブログランキングにエントリーしています。もし記事を気に入っていただけたなら、クリックよろしくお願いします。↓人気ブログランキングへ