『書斎の窓』564号(2007.5月号)
以前の日記で紹介した辰井聡子先生の『因果関係論』について、小林憲太郎先生が書評を書かれています。「名著者=名書評者」といった感じのいい書評。最上級でほめているようで、それと同じくらい、けなしているように読めるのは気のせいですか。内容についてはご自分でお読みくださいとしかいえませんが、まさにその通りと思える一文があったので引用。ただし、これは辰井先生の本だけに向けての物言いではありません。「下位基準と称して論証なしに、共通了解なき新基準をあたかも上位基準から演繹されるかのごとく、提示するのはこの業界のならわしだからである。」「この業界」というのは刑法学者の世界ということでしょう。で、このならわしを「悪習」だとされています。いや、まさにその通りだと思います。小林憲太郎先生の著書刑法的帰責因果関係と客観的帰属アクチュアル刑法各論アクチュアル刑法総論ケース&プロブレム刑法総論リーガルクエスト刑法各論