|
カテゴリ:法律書への想いをこじらせて
最近になってからなのかどうか知りませんが、法律書のまえがきとかあとがきに、「出版事情の厳しいおり」こんな本を出版して頂いてありがとう、的なことが書いてあるのを見かけます。
本が売れないのは景気のせいあるいは消費者のせいみたいな書き方なんですが、私としては、常日頃から宣伝不足じゃないのと感じています。以下、法律書にかぎったお話。 私は、定期的に法律書を買わないとどうかしてしまうタイプの人間なんですが、そんな私でも、すんなり買えるわけではありません。 一部の「著者買い」ができる本を除いては、その本がどういう内容かを知らなければ買いにくいわけです。で、内容を知ろうと思っても、売れない本ほど近くの本屋には置いていないという相関関係がありますので、大きな本屋にいかなければなりません。 また、中身をみたところで、電気屋で説明書をみないで展示品の家電をつかってみるごとく、一応分かるには分かるが、ものによっては、その本の本当のよさがその場で中身を読むだけでは分かるとは限りません。 で、何某かのガイド的なものがないか出版社のサイトをみてみても、目次とありきたりの紹介文が載っているだけで、それを見て買おうという気にはなれないのがほとんど。ごくごく少数だけの立ち読みコーナーがあったりもしますが、(当然といえば当然ですが)中身がそのまま数頁見られるだけです。 デザインとかに気を遣うくらいなら、もっとテキストを充実させてください、と思うものです。 書店に本を置かせてもらえない力の弱い出版社ほどサイトを充実させるべきだと思うのですが、全然手が回っていない感じ。新刊がでたときぐらい更新すればいいのに、それさえしてないとか。 有斐閣のPR誌「書斎の窓」には、たまに「○○を刊行して」みたいな、著者自身がその本について語る文章が載っていて、これはとてもいいものなんですが、数としては少ないし、書斎の窓自体がお気軽に手に入るものではありません。 別に宣伝といっても大金かけてCMをしろとかそういうことを言っているわけではなく、編集者による編集にあたってのあれやこれやの話や著者自身による「○○を刊行して」みたいな文章をサイトにのせるだけでいいわけです。 著者も、出版してくれてありがとう、とかいうなら、売れるように努力しなさいよ、と思うのですが、学者的には、一般の人に向けて売っているつもりはない、とでもいうつもりなんですかね。 以上、出版事情をしらない一読者の意見でした。出版社には出版社の事情があるのでしょうが、(他の人と比べたらそれなりに法律書出版社の売上に貢献しているはずの)消費者からみるとそう感じました、ということです。 自画自賛なだけの宣伝になっても、それはそれで一つの判断材料になるわけだし。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年04月18日 18時54分02秒
コメント(0) | コメントを書く
[法律書への想いをこじらせて] カテゴリの最新記事
|
|