今日の読書 ガラパゴス化のススメ/櫻井孝昌
ガラパゴス化、昨今日本の特に家電製品などなどが、かつての勢いを失い世界から取り残されている事に力点を置いて日本をこのように扱うものを目にする機会は非常に多いと思います。ガラパゴス化がいかにマイナス要因であるかばかりに力点を置いている事に対して、私は違和感を覚えざるを得ないのですが、こういった視点を持ちたがる人は、世界標準こそが全てであり、日本はそれに合わせるという事で生き残るという考え方しかできていないんだろうなというのは常にありました。たしかに、日本人にしか受けないというものは多々ありますし、世界で商売をしたい人にはそれではまずいと考える事は仕方が無い部分はありますが、何で嘆いてばかりいるのかというのは、ネガティブな思考しか持ち得ていない私ですら思えて仕方が無いんですね。そもそも、日本という国は存在自体がガラパゴスなんじゃないの?という事が誰にでも知られている事だという前提で私は考えていたんですが、そう考えない人が多いんですね。古来から日本というのは、島国である事を恩恵に、海外からとりいれた文化や文明を、自分達が好き勝手に変容させ、似たような文化が回りに無い状況になっていたというのを繰り返していたはずであり、それを踏まえていればガラパゴス化そのものは日本の宿命だと思うのですけどもね。で、日本人が当たり前と感じているものが、ガラパゴス故に海外からは面白がられる。かつての浮世絵のように、海外の評価で初めて実は凄い事だったと気付くというのが、ある意味日本の伝統だと。今の日本のガラパゴス化として世界に日本だからこそとして注目されているのが「カワイイ」であり、日本はそれをもっと気付いて世界に乗り出していけばいいんじゃない?というのが本著ですね。日本人は当たり前に思っている事が、海外ではそうではない。日本のポップカルチャーは世界的に広がっており、これを利用しない手はないというものですね。日本のアニメが世界的に広がっているという事は周知の事実ですが、ファッションが世界的に自由な国なんていうのは、私は認識してはいませんでしたね。アニメのコスプレなんていうのは、わかりますが、日本の女子高生の制服が受け入れられているという感覚は全くないというか、むしろ日本の制服という文化が、欧米では同じ服をみんな着ているなんて、不自由だ!とネガティブな情報ばかりに触れさせられていたからかもしれないですね。どうでもいいですが、本著を読めば読むほど、日本の利点を消そう消そうとするのが、現政権であるとか、かつて進歩的知識人といわれた、とにかく日本はこのままではダメだ!という事を仕事にしている、いわゆる左系知識人が足を引っ張っているとしか思えなかったり(苦笑)まぁ私のこういった考え方そのものが、かなり偏見込みで恣意的に考えてしまう事ですけどもね。そして、日本が世界に求められているという事に関して、なかなか日本が動かないというりゆの1つに、日本の辺境思考というのが関係しているのではないかというのは、頭をよぎりましたね。現在の日本の不況の打破を少しでも考えている人や、世界でひと山とか考えている人は、ポップカルチャーは自分の興味の範疇外だという事を考えずに一読してみるのもいいかもしれないですね。短くてすぐに読めますので。序 章 「日本の女子高生になりたい」第1章 日本式vs韓国式の勝者と敗者第2章 カワイイに国境はない第3章 カワイイ文化発信戦略の意義と可能性第4勝 日本経済再生への処方箋 ガラパゴス化のススメ