カテゴリ:マーケティング
ニコニコ動画とYouTubeが、
JASRACに著作権料を支払うようになるという。 ヤフー動画が先日始めたのと同じスキームだ。 ニコニコ動画とYouTube、JASRACに著作権料支払いへ http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0710/30/news065.html ざっと見ると、 JASRACが動画共有サイトから収奪しているように見えるが、 実際はまったくそういうことはない。 ビジネスモデルや利益率に関係なく、 売り上げの2%を払う、ということにしたら、 販売管理費が小さく、利益率の高いビジネスをやっている企業が得をする。 たとえば、 ニコニコ動画がCDを自前で直販する業者だったと仮定した場合、 ニコニコ経由で、3000円のCDが売れたら、2%取られた、 とすると、60円支払わなければならない。 CDが1000枚売れたら6万円のコストになる。 CD販売の利益率からすると、これは結構痛いだろう。 一方で、アフィリエイト売り上げの場合、 3000円のCDだと、ニコニコはアマゾンから100~200円程度の アフィリエイト収入があり、その2%だとすると2~4円程度になるだろう。 これには仕入れコストも在庫リスクも販売管理費用もかからない売上200円 のうちの4円、なので、システム費用が十分に小さくなれば、 結構おいしい。 1000枚売れても4000円しかかからない。 CDが1000枚売れるための表示回数を考えると、 おそらく数十万~数百万回再生されることになるだろう。 動画共有サービス業者は、4000円払えば、数十万回 著作権付の動画を大手を振って配信できるようになる。 合法的になった動画共有サイトによって CDはますます売れなくなっていくとすると、 その結果ニコニコの売り上げも下がるが、 そのうちにシステムコストが無視できるように安くなっていけば、 広告モデルでバンバン儲かるようになるだろう。 そのとき、ニコニコに出稿する広告クライアントはどこになるだろうか。 おそらく、CDやアニメDVDのメーカーになるだろう。 その日から、 動画共有サイトは、広告費をもらって、 ほんの一部を著作権者にキックバックするだけでいい、 という超ウマーなモデルに突入することになるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.10.30 17:58:52
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