さすがにゴールデンウイーク直前は微妙に色々忙しくて、夜中に半分眠りながら過去20年分の血統をチェック(笑)。でもやっぱり過去20年の歴史見てると実に面白いもんだから、ついつい血統表見過ぎて朝寝坊したりしてます(^^;
春の天皇賞は、その時代時代のチャンピオン種牡馬が勝ち馬を出していたり、単純に「ステイヤー」の誉れ高い種牡馬が勝ち馬を出している年があったり、そうかと思うと「どんな種牡馬なのかよく解からない」というタイプの馬が勝ったりもしていて、実にバラエティに富んでいる。
例によって配合も含めてかなりじっくりと見てみたんだけど、いくつか傾向らしきものがあったので、馬券の助けになりそうなのだけを簡単にご報告。
※当サイトの血統コラムをはじめて読んでくださる方は、左のコンテンツページから『2004年皐月賞』の欄をクリックして、そこでまず入門編を読んでいただけると、かなりわかりやすくなります。m(_ _)m
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1.恒例の異系調査、「ファラリス系だけ」は例によって1割
代々配合されてきた種牡馬が4代連続「ファラリス系」の馬は、G1では苦戦の傾向・・・というのが当サイトの仮説で、そういう馬の連対率はだいたい1割程度というのがこれまでの結果。春の天皇賞も過去20年さかのぼって連対馬をすべて調べてみたが、延べ40頭のち、「ファラリス系を4回連続」という血統で連対したのは、5頭だった。
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※過去20年間で「4代がファラリス系のみ」の血統で連対した馬※
○1995年 ステージチャンプ(2着) 母ダイナアクトレス
○2000年 テイエムオペラオー(1着)
○2001年 テイエムオペラオー(1着)
○ 〃 メイショウドトウ(2着)
○2003年 サンライズジェガー(2着)
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見てのとおり、過去20年で、勝ったのはテイエムオペラオーだけだ。(今思うとミラクルホースだった!)
そして今年の出走馬で、やや微妙な「4代がファラリス系のみ」という血統の馬は、以下のとおり。
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※2004年/「4代がファラリス系のみ」の出走馬※
○ダービーレグノ
○サンライズジェガー
○チャクラ
○リンカーン
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リンカーンから買おうと思う場合、ここにあがっているのは相手としては穴っぽいところがそろってるが、しかし過去20年で「4代がファラリス系だけ」の馬同士で決まったのは、2001年のテイエムオペラオー×メイショウドトウの一度しかない。いちおうそのことを知ったうえで、金額配分したほうがいいかも?
あとはやはり、過去の傾向から見る限りでは、この4頭の単勝は買いにくいという結果だ。うーん、リンカーンははたしてどうだ? いや、テイエムオペラオー級だろう、と思う場合はむしろ黙って単。
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2.京都はやっぱりノーザンダンサー系?
京都の芝といえば、個人的にはすぐに「ノーザンダンサー系」というイメージだが、天皇賞(春)も、過去20年を調べてみるとかなりハッキリした傾向が現れていた。連対馬の多くが、次のいずれかのタイプなのだ。
※「父」がノーザンダンサー系
※「母の父」がノーザンダンサー系
※「父」がナスルーラ系
※「母の父」がナスルーラ系
もちろんこうじゃない馬もいるが、傾向としては「ノーザンダンサー系かナスルーラ系に要注意」というのが歴然としている。ほぼ毎年、連対馬のどちらか(あるいは両方)が上の条件に当てはまっていて、1着馬・2着馬が両方ともそうでなかったケースは、過去20年で2回しかない。しかもずいぶん古くにさかのぼるもので、1985年、シンボリルドルフが勝った年と、1987年、ミホシンザンが勝った年のことだ。
今年の出走馬で、「父」&「母の父」がいずれも、ノーザンダンサー系でもナスルーラ系でも「ない」馬は、次の4頭。
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※2004年/ノーザンダンサー系、ナスルーラ系のない出走馬※
○ザッツザプレンティ
○ファストタテヤマ
○ネオユニヴァース
○ゼンノロブロイ
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4強のうち3頭までがここに入ってしまったが、血統から見る傾向としては、この4頭の馬連ボックス馬券は、もう14年間ものあいだ一度も出ていないタイプの組み合わせだということになる。これを偶然と考えるか、それとも「レースが要求する能力」が端的に出ていると見るかはやや微妙だが、「このタイプの組み合わせは、過去20年間でたった2回」という事実自体は面白い。
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3.淀の3200、母父ミスプロ系は苦しい?
ミスタープロスペクター系と言えば、日本ではやはり「ダートの短距離で強い」というイメージ。天皇賞(春)では過去20年間に、「母の父ミスタープロスペクター系」で連対したのは、2000年のラスカルスズカ(2着)のみというデータがある。
ラスカルスズカの母の父は、Miswaki(ミスワキ)。これはミスタープロスペクター系としては抜群に距離をこなす種牡馬で、凱旋門賞を勝ったアーバンシーを出したほどだ。日本でもサイレンススズカの母の父がMiswakiだし、菊花賞を勝ったザッツザプレンティの母の父もMiswakiだから、これは心配ないと言って良さそうだ。
心配があるとすれば、ゼンノロブロイの方か?母父マイニングは、いかにも「ダートのスプリンター」というイメージで、スタミナを供給してくれる系列の種牡馬でないことだけは確かだ。
まっ、そんな心配は杞憂に終わるかもしれないけれど、これまで春の天皇賞の歴史で、「母の父ミスタープロスペクター系」は一頭しか連対歴がないのは事実。今年で言うと、母の父ミスタープロスペクター系同士の、ザッツザプレンティ×ゼンノロブロイという馬券は、少し手が出しにくいかもしれない。
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4.ずいぶん「同じ母系の馬」や「同じ馬」の連対が多い
古くはモンテプリンスとモンテファストの全兄弟が勝ったのをはじめとして、1986年の2着馬メジロトーマスと、91年と92年の2度優勝したメジロマックイーンは、2代母が同じ(メジロアイリス)。ビワハヤヒデ&ナリタブライアンの兄弟も、両方連対している。
最近でも、2回以上連対した馬がイナリワン(89年1着、90年2着)、メジロマックイーン(91年・92年1着、93年2着)、ライスシャワー(93年1着、95年1着)、サクラローレル(96年1着、97年2着)、メジロブライト(98年1着、99年2着)、テイエムオペラオー(00年1着、01年1着)と、こんなにもいる。
これらの馬が強かったのももちろんだが、「京都3200mへの適性」という点も、やはりかなり重要なのではないか、という気がしてきた。
そういう点では、去年2着だったサンライズジェガーなどは、もしかするとこのコースへの適性抜群で、あまり軽く扱うわけにはいかないのかもしれない。ほかでは、ファストタテヤマの3代母はクリアアンバーという馬で、これは1983年に勝ったアンバーシャダイのお母さんだ。
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