カテゴリ:ミステリー
本日ご紹介するミステリーは、夏樹静子さんの「
そして誰かいなくなった」です。 ●あらすじ 一週間の沖縄へのクルーズに招待された涌谷遥。はじめて顔を合わせる人々とクルーザーに乗り込んだが夕食時に各自の罪を告発するテープが流され、翌朝一人が死体で発見される。 ●簡単な感想 タイトルからわかるようにアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品です。 「そして誰もいなくなった」のネタバレも含まれますので、未読の方はご注意ください。 オマージュで本家を超える作品をいうのは中々なさそうです。 以下はネタバレを含む感想です。 読まれた方のみ反転してご覧ください。 同情できる動機はあるとはいえ、寄ってたかって一人の女性を追い詰めるというのは後味が悪いです。遥本人に根本原因があるならともかく、そういうわけでもないですし。性格が悪いくらいのことで殺されたらたまりません。そもそも、脇村さんのことをどうして知ったのか説明もないです。脇村さんがわざわざ「遥に迫られた」とか話すとも思えないですし。 計画殺人のミステリーの動機も今回のものとそうは変わらないのですが、やはり一人または二人くらいでの殺人と、本人以外の全員で騙すやり方とでは印象がずいぶん違います。殺さなかったからこそ遥が生きていたとはいえ、実際に手も下さずにのうのうとこれからも生きていくのだろうというところに卑劣さというか卑怯さがあるように思いますし。久世さんは思うところがありそうですが、思うところがあるだけで終わる可能性もそれなりに高いです。 改心したであろう遥が、事実を知ってどうするのかわかりませんが、幸せになってくれるといいです。 以上です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.11.01 22:01:21
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