カテゴリ:ミステリー
本日ご紹介するミステリーは、秦建日子さんの「
推理小説」です。 ●あらすじ 連続殺人事件の詳細を小説にしたものが、出版各社と警察に届けられた。犯人しか知りえない情報が書かれたその小説の続きを、犯人は3000万円で買い取ることを要求する。 ●簡単な感想 犯人が書いた小説はフェアでリアリティのあるものにしている(という設定の)反動なのか、そうでない部分はリアリティのない部分が目に付きました。わざとなのだろうとは思いますが。 シーンが細かく分かれていたり、同じ文章を何度か読まされたり、主役が今一つ受け付けないのと相まって、序盤は読みにくかったです。後半はそうでもなかったですが。 以下はネタバレを含む感想です。 読まれた方のみ反転してご覧ください。 四つ目の死体は理恵子さんだと思いますが、仕掛けとはなんだったのかがわかりませんでした。死体に栞を握らせることではないでしょうし。手紙を貼り付けるのを仕掛けというのは大げさが気がします。 犯人の小説中の「S」を瀬崎さんだと決めつけるマスコミが不思議すぎました。Sなんてたくさんいるでしょうし、他の関係者にもいるわけですし(勢田さんとか)、展開が強引というか、どうしてそうなったのかわからないままに進んでしまいました。 どんでん返しが好きじゃないとはいえ、そのままな犯人もどうかと思いました。やはり意外性がある方がいいです。 主人公が犯人に嘘をついたと責めていましたが、クライマックスは屋上のシーンであって、それ以前なら嘘をつくのもありなのではないかと思います。 主人公の苦悩が挿入されていましたが、17歳の子でも今回の犯人でも撃ち殺す必要性を感じないので、正しいと主張されても納得できませんでした。射撃が下手で足を撃つつもりが殺してしまったというならわかるのですが、そういうわけでもなさそうですし。目の前で知り合いのおじさんが血に染まる光景を見せられた女の子のその後の苦悩の方がよほど同情できそうです。 人に迷惑をかけても有能だからというだけで許される主人公は合いませんでした。 以上です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.11.24 21:28:47
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