カテゴリ:ミステリー
本日ご紹介するミステリーは、三津田信三さんの「
首無の如き祟るもの」です。 ●あらすじ 一守家、二守家、三守家と分かれる秘森家は代々の当主となる男児が育たない状況にあった。一守家に家を継ぐ男児がいないときには男児のいる二守家や三守家が一守家にとって代わる。そんな環境にあって、一守家の唯一の男児である長寿朗は大事に育てられてきた。 ●簡単な感想 おもしろかったです。久しぶりに本格ミステリーを読んだ気がします。 指摘されれば、気が付かないのがうかつだったという描写があると嬉しいです。一作目ではあまり納得のいかなかった謎解き部分なども今回は文句のつけようがなかったです。 以下はネタバレを含む感想です。 読まれた方のみ反転してご覧ください。 入れ替わりがないかのように見せて、実は何度も入れ替わりがあったのは良かったです。妃女子と長寿朗との入れ替わりは気づいてしかるべきでしたが、気づきませんでした。 長寿朗が毬子さんに殺されるほど迫るのは、それまでの性格を考えると少し違和感がありますが、後がない状況では無理もないのかもしれません。大事にされていたとはいえ男子のために犠牲になった人でした。毬子さんもだまし討ちされたわけですから、十分可哀そうですが。その後の冷静さはすごいです。 犯人は斧高でしたのどんでん返しは信じそうになりました。長寿朗を殺す動機の説明が不十分ですし、ほぼ妄想、幻想でしたオチにならなくて良かったですが。 最後も良かったです。斧高も復讐を果たせて満足でしょうし。斧高については、政略結婚させられることはわかりきっていたわけで、それが嫌で逃げるくらいなら初めから跡を継ぐと言わなければ良かったような気もしますが、秘守家に対する復讐だったのかもしれません。 最後まで探偵不在(最初の文章は本物の東城さんですが)なのも良かったです。 以上です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.01.15 21:10:55
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