カテゴリ:ミステリー
本日ご紹介するミステリーは、歌野晶午さんの「
春から夏、やがて冬」です。 ●あらすじ スーパーの保安責任者である平田誠は万引き犯の事情聴取も任されていた。万引き犯に容赦のない彼が昭和60年生まれの末永ますみは警察に突き出さなかった。かつて事故で亡くした娘と同じ年だったからだ。 ●簡単な感想 平田さんの年齢がつかみにくかったです。読んでいる分には30代くらいに思えたので、もう少し年齢相応の描写があると良か ったです。 どういう方向に行くのかわからなくて、退屈はしませんでした。 以下はネタバレを含む感想です。 読まれた方のみ反転してご覧ください。 後味が良いとは言えない作品でした。 平田さんの重荷の一端は軽くなったかもしれませんが、また別の重荷をしょい込んでしまいましたし、誰も幸せにならなかったのは残念です。 春夏の事故については、真犯人が本当に偽装工作をした可能性はあると思いますが、見られる危険を冒してまですることではないかもしれません。 ますみが腕時計の話を聞いていたのにブレスレット(腕時計)を「なに、それ?」と言った理由がわかりませんでしたが、単純に忘れていただけということでしょうか。犯人でないのですから、娘の形見の腕時計にますみが大した注意を払っていなくても不思議ではないですが、恩人に聞かされた結構ショッキングな話なわけですし、なにそれレベルに忘れるのはちょっ不自然な気もしました。別にあの場面で挑発する必要はないですし。 ますみなりのお礼の仕方が必ずしも間違っていたとまでは思いませが、軽率ではありました。平田さんにしても確実に殺そうと思っていたわけではないですから、何か違えばそれぞれがそれなりに幸せになれる道もあったのでしょうけど。 理不尽なほど平田さんが不幸になる話でしたが、安易なハッピーエンドになるよりは良かったです。 以上です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.03.28 20:50:04
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