若竹七海「クールキャンデー」
本日ご紹介するミステリーは、若竹七海さんの「クール・キャンデー」です。●あらすじ杉原渚は14歳。誕生日を楽しみにしていた前日、兄嫁が亡くなったことを知らされた。兄に疑いがかかっていることを知った渚は、兄への疑惑を晴らそうと奮闘する。●簡単な感想葉崎市が舞台です。過去作品の登場人物も少し出てきます。14歳の女の子が語り部なので、文章が軽やかで読みやすかったです。短い作品ですが、楽しめました。以下はネタバレを含む感想です。読まれた方のみ反転してご覧ください。主人公や子供が犯罪に噛んでいるのはあまり好きではないですが、意外ではありました。この作品の中だけの話ですが、遺伝で犯罪者が生まれるとしたら、というテーマ(?)なのかと思いました。妹も兄も罪を犯していて、それを前提に考えると蒸発した二人の父も犯罪を犯しているのかもしれなくて、渚のボーイフレンドもその素質があるということは、延々と繰り返されるかもしれない、という話かもしれません。兄が妻を殺したことに渚はショックを受けていたようですが、自分が原因で人が亡くなったのに翌日の誕生日を楽しみにしている渚にショックを受けられる兄もショックかもしれません。結局はなぁなぁで隠し通して生きていきそうです。葉崎はもう少し犯罪の検挙率を上げてもらいたいです。以上です。