さようならモリヤ(1/19-20)
写真のように、文学座アトリエの脇に建つ第二稽古場(通称)モリヤの建替えによる最後の公演が行われました。観客としてモリヤに初めて足を踏み入れたのは、2001年10月のこと。文学座・座付作家を育てる会の‘勉強会’と称して、『龍の伝説』(作・演出・得丸伸二)公演を観に行きました。終演後はそのまま客席で出演者を囲んで感想を語り合う場を設ける力の入れようです。その後、この作品は文学座の本公演で上演されたのですから、いかに内容の濃い試みであったのか想像に難くないでしょう。このような試みを知ってからは、勉強会が行われる度にできるだけ足を運んだものです。時には無料、または1,000円~3,000円くらいの入場料だったと思います。文学座準座員による試演会も行われ、門戸を広く開いているのを感じました。そして昨日と今日、モリヤ最後の勉強会が行われました。座談会のある日もあったようですが、20日の演目は以下の通り。・ドラマ・リーディング『蛍』(作・久保田万太郎)・一人芝居『森の石松の最後』(二代・広澤虎三「清水次郎長伝」より、脚色・出演・早坂直家)・女の一生誕生秘話『サイタ、サイタ、サクラガサイタ』(作・得丸伸二、演出・戌井市郎)休憩時間には、建物内の散策をしました。この場所には文芸部や映画放送部などもありましたが、既に引っ越しが行われており、二階の座敷では多くの蔵書、プログラム、台本などが、「ご自由にお持ちください」という案内の下に置かれていました。昭和の建物がひとつ消え行く、そんな感慨を覚えました。2月に取り壊され3月から新築工事が始まり、12月には完成予定だそうです。今まで様々な作品と出会わせてくれた第二稽古場に観客として最後の別れを告げました。※ひらがな、カタカナ、様々な呼び方があるようですが、ここでは表記をモリヤに統一しました。(文学座第二稽古場モリヤにて)