未だに仕事か子育てか?の二者択一なのでしょうか
先日の新聞の記事に、「働く女性が妊娠のタイミングを見計らうのが難しい」という内容がありました。 30代前半までは働き盛りで、ここで妊娠・出産・育児で仕事を休んでしまったら、昇給・昇格に響くから妊娠するわけにはいかない・・・!と、頑張っていて、 仕事が納得いく成果を上げ、「そろそろ子どもがほしいなあ~」という時期になると、今度は年齢的にも、妊娠しにくい状況になっていて、子どもができないで悩む・・・ というのが多くのキャリアウーマンの現況だそうです。 これでは、まだまだ女性が男性並みに働こうと思うと「男性」になるしかない、という一昔前の状況と変わっていないことになりますね。 家庭と仕事を両立して華々しいキャリアを築き上げている女性が、雑誌によく紹介されているので、一見時代は変わったな~、と思うのですが、相対的にはそうした女性も増えていっているのでしょうが、まだごく一部で、そうした方はとても恵まれた方なのだと思います。 一方では、先週のAERAでは、高学歴を持ちながら、結婚や出産を機に仕事を辞めてしまった現在は専業主婦が、「何かまだ世の中に対してすることがあるはずだ、しないといけない」という思いをずっと抱えたまま、不完全燃焼な日々を送っている・・・という内容の記事もありました。 どちらの道を選んでも、ないものねだりしてしまうのだ・・・とAERAの記事の中でも書かれていましたが、確かにそうですね。 どちらか一方しか、結局は選べないものなのでしょうか? 私は、企業が採用にあたって「新卒」を重視しすぎることが問題の根本原因の1つだと思います。 それは、女性の働き方についてのみならず、全ての雇用問題に通じることだとよく言われますが。 確かに新卒一括採用にしたら会社側ではコストがかからず便利なのでしょうが、チャンスは新卒の時のワンチャンスだけ、と思うと、新卒時の就職活動が上手くいかないとその後の人生でなかなか敗者復活は難しいものです。 だからこそ、一度得た仕事にしがみついてしまいがちですし、よほど本人に能力がありそれを自他共に認めてもらえるほどにならないと、同じような条件で再就職や転職するのはほぼ不可能。 それは、本人の努力次第だ・・・と言われる方もいますが、みな努力していないわけではないし、かといってそんなに華々しいキャリアを目指しているわけでもない、ただ自立して、働く場所が欲しいという人が圧倒的なのではと思います。 それなのに、そうした仕事は、一度手放すとなかなか手に入れられないのですね。 特に女性の場合は、あまり年齢が高くなると採用してもらえにくくなるのは未だに暗黙の了解ですので、あせってしまうし、今の仕事にしがみついてしまうのも無理はありません。 「会社で働く」という雇用形態に囚われないのが一番ですが、そのためには手に職をつけたり、起業のノウハウを学んだり・・・と、早い段階で高い職業意識を身につけていないとなりませんね。 それに、現在の仕事が面白いし、やりがいもあるという人にとって、子どもを生んだからといっていきなり方向転換する必要もないわけですし・・・ とは言え、本来女性の体は35歳までに出産を終えてしまうのが理想だそうです。 新卒に限らずいつでも就職できるのであれば(理論上は「いつでも」就職活動は可能ですがね)、20代で子どもを生んでおいて、30代にはいってじっくり仕事に取り組む・・・という生き方も可能なのかもしれません。 でも、新卒でいっせいにレールの上に並ばなくてはならず、そのレールをはずれたらなかなか仕事が見つからない・・・・、 しかも、会社に入ってからも、レールがあって、自分のしたい仕事を続けたかったらそのレールを走り続けないとならない、という現状では、いつまでたっても少子化解決も、女性がしなやかに働く社会も実現できない気がします。 この不況で、今まで女性の働きやすい職場つくりにつとめてきた会社も、それどころではない、と方向転換してきているようですね。 このままでは、そうした会社のコスト削減を正当化するために、「やはり女は家にいて、家庭をまもるべきだ」という保守的な風潮が再燃する可能性もあるのでは、と危惧しています。 長い目で見ると、女性が働くのは必須となるでしょうけどね。 そのためには、なんだか窮屈な世の中が、もっと体のリズム、自然のリズムを大切にしながら生きていけるような社会に変わっていくことを祈らずにはいられません。