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《櫻井ジャーナル》

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2009.11.04
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 アメリカの下院は「ゴールドストーン報告」を拒否する決議を344対36の大差で可決した。言うまでもなく、この報告書をまとめたのは、リチャード・ゴールドストーンを中心とする国連調査委員会で、イスラエル軍のガザ地区侵攻で国際人道法に違反する行為があったと結論づけている。すでに国連人権理事会の特別会合で協議され、報告書を支持する決議案が採択されている。賛成25カ国、反対6カ国、棄権11カ国、そして無投票5カ国だった。

 アメリカ政府もゴールドストーン報告を「偏向している」として認めていないのだが、どこが問題なのか具体的に指摘するべきだというゴールドストーンの発言にバラク・オバマ大統領もヒラリー・クリントン国務長官も答えていない。要するに、答えられない。

 米下院の決議にしても、報告書を議論しての投票ではなかった。ゴールドストーンから説明を受けなかっただけでなく、おそらく大多数の議員は報告書を読んでいないし、決議文すら読んでいない。単に、イスラエルに都合の悪い報告書は認めないというだけのことだ。

 アメリカの議員が報告書を読んでいないことはないだろうと思う人もいるだろうが、米下院のブライアン・ベアード議員は同僚議員が報告書や決議の内容を知らないと考えているのだ。ベアード議員は自身も現地で調査している。

 今回のゴールドストーン報告が信用できないと主張することは、南アフリカ、旧ユーゴスラビア、ルワンダ、コソボ、ナチなどの残虐行為に関する報告も信用できないということになる。

 確かに、これまでに国連が行った調査に問題がないわけではない。アメリカに配慮しすぎているという点で問題があるのだ。今回のガザ侵攻では、そうした配慮をしても黙殺できないほどの残虐行為があったということである。

 前にも書いたように、イスラエル政府はゴールドストーン報告を葬り去ろうと必死である。頼みはアメリカだけという状況なのだが、アメリカがイスラエルを無批判に守ろうとするならば、アメリカはさらに世界から信頼されなくなるだけのことだ。

 ゴールドストーン報告をくずかごに捨てなければ和平プロセスを壊すとイスラエル政府はアメリカを脅し、ヒラリー・クリントン国務長官はイスラエル人の違法入植を容認する発言もしている。当然、イスラム諸国は反発しているが、それ以外の国々もあきれて見ていることを忘れてはならない。日本のようにアメリカの一挙手一投足をビクビクしながら見ている国は少ない。





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最終更新日  2009.11.05 01:37:38



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