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《櫻井ジャーナル》

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2011.11.16
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 肺がん治療薬のイレッサでは日本側の承認や情報の開示が問題になっているが、アメリカでの新薬承認も厳格とは言えない。日本の行政当局にも少なからぬ問題があることは言うまでもないが、TPP(環太平洋連携協定)が結ばれたなら、安全性に問題があってもアメリカの決定を受け入れなければならない局面も出てくるだろう。被害が生じても政府や会社の責任は問わない・・・これが日本の裁判所が示している姿勢だ。巨大企業のしたい放題になる可能性が高い。

 利益のためなら何でもする企業を象徴するような人物のひとりがドナルド・ラムズフェルド元国防長官だ。イラクへの先制攻撃などで国防長官として好戦的な姿勢を明確にしたラムズフェルドだが、1977年から85年にかけてGDシアーレという医薬品会社の経営に携わっている。1985年にこの会社はモンサントに吸収された。

 当時、この会社は経営状況が悪化していて、新薬で苦境を脱しようと目論んでいた。その薬をFDA(食品医薬品局)は認可しない。薬品の検査報告が偽造されていた疑いがあったのだ。悪性腫瘍を良性と偽り、死んだラットを生きていることにしていたという。そんなときにラムズフェルドは経営者として迎え入れられたのである。

 FDAは検察に対し、GDシアーレの違法行為を伝えたが、FDAの規定が曖昧だという理由で不起訴にしている。この件を担当した検事はジョージ・H・W・ブッシュ政権で運輸長官に就任したサム・スキナーである。

 この会社は人工甘味料でもFDAと対立していた。この物質は脳に病変を起こすとワシントン大学医学部のジョン・オルニー博士が証明、安全だと主張する会社側と対立していたのだが、1980年9月に問題の甘味料を許可しない評決が出ている。

 ところが、この年の大統領選挙でレーガンがジミー・カーターの再選を阻止した直後にFDAの局長は解任され、政権発足後の4月には新しい局長としてアーサー・ハル・ヘイズが就任する。ヘイズは1960年代に陸軍の医療部隊に所属、化学戦の研究をしていたエッジウッド訓練場にいた人物。1981年7月、ヘイズはGDシアーレの人工甘味料を認可してしまう。

 ラムズフェルドはギリアド・サイエンスという製薬会社の会長を1997年から2001年まで務めている。インフルエンザの「特効薬」だと宣伝されていたタミフルを売っていた会社だ。

 しかし、この薬はインフルエンザの特効薬とは言えない。早い段階に服用すれば、少し早く直るという程度の薬にすぎない。2005年に鳥インフルエンザの患者が東南アジアで発見されたが、そのときにベトナムの医者はイギリスのタイムズ紙の記者に対し、WHOの指針に従って処方したものの、タミフルが効かなかったと話している。タミフル信仰が日本だけでの現象だったのは当然だろう。





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最終更新日  2011.11.16 18:30:58



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