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《櫻井ジャーナル》

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2013.11.11
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 イランの核開発問題を協議するため、今月7日から「P5+1」、つまりアメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスの国連安保理事会の常任理事国、そしてドイツはスイスのジュネーブでイランと会っていた。フランスの妨害で合意には至らなかったと言われている。

 この協議に強く反対していたのはイスラエル。アメリカ議会に対するロビー活動だけでなく、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はアメリカのバラク・オバマ大統領、ロシアのウラジミール・プーチン大統領、フランスのフランソワ・オランド大統領、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、イギリスのデイビッド・キャメロン首相といった各国の首脳に電話、イランと合意しないように働きかけていたが失敗、合意が近いことを知る。

 そこで、ネタニヤフの友人でフランスの国会議員でもあるメイヤー・ハビブがフランスのローラン・ファビウス外相に電話し、イランに対して強い姿勢を示さなければ、ネタニヤフはイランを攻撃すると伝えたという。

 基本的に電話は盗聴されているわけで、ファビウス外相への通話内容が傍受されていることを承知でハビブは電話をかけたはず。会話の内容はフランス以外の国に伝わることを念頭においていただろう。

 1981年6月、イスラエルは8機のF-16と6機のF-15でイラクのオシラク原子力研究所にあった「タンムズ-1号炉」を爆撃、破壊しているが、そうしたことを実行するというわけだろう。破壊された原子炉はフランスのOSIRIS型で、IAEA(国際原子力機関)の査察を受けていた。

 ここで時代を戻して現在。ロシア政府の働きかけでシリア攻撃が中止され、イランとの交渉が始まったわけだが、こうした展開にイスラエル/ネオコンやサウジアラビアは不満を募らせている。これまで傭兵を雇い、反シリア政府軍に資金や武器/兵器を提供してきたサウジアラビアだが、ここにきてパキスタンで反政府軍の兵士を訓練し始めたとも伝えられている。1970年代の終わりから80年代にかけてアフガニスタンで行ったようなことを始めたということだ。

 ところで、イスラエルの核開発を始める際、支援したのはフランス。シオニスト人脈ならイギリスにもあり、フランスにはプラス・アルファがある。

 第2次世界大戦が終わるとフランスの植民地でも独立の動きが出てきた。1954年にはアルジェリアで民族解放戦線が結成され、戦争が始まるのだが、この戦争でイスラエルの情報機関がフランスを助けている。イスラエルには北アフリカ出身者がいて、解放戦線の懐へ飛び込むことができたことが大きい。そうした関係がイスラエルの核開発支援につながるわけだ。

 こうした話はアメリカにも当てはまるのだが、最近は「情報のイスラエル依存」が悪い結果をもたらしている。重要な件で偽情報をつかまされ、操られるようになったのだ。こうした問題はアメリカに情報を依存したがっている日本でも生じてくる。他国から提供される情報にはそうした側面が常に伴う。

 シリア、イラン、イラクの体制転覆をイスラエル/ネオコンは遅くとも1991年に計画している。この年、アメリカを中心とする軍隊がイラクを攻撃したのだが、ジョージ・H・W・ブッシュ政権はサダム・フセイン体制を倒さないまま、戦闘を止めてしまった。

 そこでネオコンは怒り、ポール・ウォルフォウィッツ国防次官はシリア、イラン、イラクを攻撃するとこの時点で口にしていたとウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官は語っているのだ。こうした計画を実現するため、イスラエル/ネオコンが偽情報を広めようとしたのは必然だった。

 シオニスト人脈や情報依存によって、フランスはイスラエルの影響を今でも受けているのだろうが、こうした状態はフランスを破壊していく。イスラエルやサウジアラビアも自分たちの影響力を過信、破滅へ向かい始めているように見える。

(追加)イスラエルのフランスへの圧力が伝えられた後、アメリカのジョン・ケリー国務長官は、イランがP5+1の合意内容を受け入れなかったと語っている。

 また、アメリカとフランスは手を組んでいて、「善玉」と「悪玉」の役割分担をしているという見方もある。フランスがアメリカに刃向かうことは困難だということだ。





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最終更新日  2013.11.12 04:07:48



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