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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はNATOに対し、東ヨーロッパで軍事力を劇的に増強している理由を説明するように要求している。NATOはロシアのウクライナへの敵対的行為が脅威だとし、あたかもロシア軍がウクライナへ軍事侵攻する寸前であるかのように主張しているが、これはイラクを先制攻撃する前にも言っていたことだ。
何度も指摘していることだが、1990年に東西ドイツが統一される際、ジェームズ・ベイカー米国務長官はソ連のエドゥアルド・シュワルナゼ外務大臣に対し、NATOを東へを拡大しないと約束したのだが、その約束は守られなかった。 つまり、1999年にチェコ、ハンガリー、ポーランド、2004年にはブルガリア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、2009年にアルバニアとクロアチアがNATOに加盟している。さらに、グルジアやウクライナの加盟が議論され、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、カザフスタン、マケドニア、モルドバ、モンテネグロ、セルビアも噂の国だ。中でも重要視されているのがウクライナにほかならない。 NATOは北アメリカやヨーロッパだけでなく、世界規模にネットワークを広げようとしている。例えば、地中海沿岸のアルジェリア、イスラエル、モーリタニア、チュニジア、エジプト、ヨルダン、モロッコ、ペルシャ湾岸のバーレーン、カタール、クウェート、オマーン、サウジアラビア、さらに太平洋のオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾、フィリピン、そして日本。安倍晋三政権は韓国との関係を悪化させているが、これはNATO/アメリカにとって許しがたい行為だろう。 ヨーロッパでは西から東へ圧力を加え、アフリカの資源を支配する体制を整えつつ、中東から東アジアにネットワークを広げ、ロシア、中国、イランなど「服わぬ国」を締め上げていこうとしている。日本の「シーレーン防衛」とは、中国の石油/天然ガスの輸送ルートをブロックする目的がある。それを想定して中国はミャンマーやパキスタンでのパイプライン建設を計画、それをアメリカは潰そうとしている。これはアングロ・サクソンの古典的な戦略だ。 そのNATOはリビアやシリアの制圧作戦でイスラム教スンニ派(アル・カイダ)を、またウクライナではネオ・ナチを手駒として使ったが、かつて、ラテン・アメリカの民主政権を倒した軍事クーデターでは、ラット・ラインでアメリカが逃がしたナチスの幹部の協力を得ている。NATO/アメリカとはそうした国だ。 アメリカとイギリスの情報/破壊工作機関が「NATOの秘密部隊」を編成したことも本ブログで指摘してきた。イタリアで「極左」を装って爆弾攻撃を繰り返しただけでなく、フランスのシャルル・ド・ゴール大統領暗殺未遂、アメリカのジョン・F・ケネディ大統領暗殺でその名前が出たほか、イタリアのアルド・モロ元首相の誘拐/暗殺でも黒幕だと疑われている。 そうしたNATOのネットワークへ日本も組み込まれようとしている。そこから集団的自衛権の問題も出てくる。「アラブの春」を「民主化運動」だと主張、ウクライナで行われているクーデターを支持する人間が集団的自衛権やTPPに反対するのは奇妙なことなのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.04.05 03:37:16
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