27454313 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2014.05.05
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 オデッサで約40名の反クーデター派住民が焼き殺されたと報道されている(現地では約300名が殺されたと言われている)が、これは現場にいた右派セクターの暴走でなく、キエフのクーデター政権、その顧問を務めているCIAやFBIが仕組んで出来事だった可能性が出てきた。(焼け跡の調査で、死者の一部は火が出る前に射殺されるなど別の原因で殺され、遺体が動かされていることが判明、レイプされている疑いもあり、放火は証拠隠滅が目的だった可能性も出てきた。火災の際、屋上にいた人びとは屋上へのドアをロックしていた疑いもある。)

 事件後、現場の映像がインターネット上で流れているのだが、その中で警官隊と行動をともにしている一団が映っている。腕には反クーデター派を示す赤いテープが巻かれ、銃を手にしている者もいて、警察の幹部と思われる人物と何かを話しながら歩いている人物もいた。警官の何人かも腕に赤いテープを巻いている。

 ある路地では警官隊が壁を作り、その背後から投石だけでなく射撃する人物もいる。画面の見えない場所から逃げてきた一団を警官隊は壁を開けて通し、追いかけてきた人びとから守っている。追いかけてきたのは親クーデター政権派のようだ。後にそのグループは反クーデター派がテントを張っていた広場へ向かい、襲撃することになる。この赤いテープを腕に巻いた一団は反クーデター派の住民でなく、一体、何者かが問題になっている。

 その日、何千人かの親クーデター派(右派セクター)がオデッサに集まった理由はサッカーの試合があったからなのだが、非常に不安定な状況になっている地域での試合を当局が許可したことに疑問を持つ人は少なくない。反クーデター派と衝突させるために誘導されたと見るべきだろう。

 しかも、反クーデター派の住民が焼き殺された後、警察は反クーデター派の住民を逮捕している。怒った住民1000名以上が警察署を取り囲み、拘束されていた67名は解放されたものの、クーデター政権は警察署長を交代させ、新署長は釈放の決定を見直すとしている。

 広場にいた反クーデター派住民への襲撃を警察が止めず、消防車の到着が大幅に遅れたこともあり、全てはキエフのクーデター政権が計画したと考える人もいる。クーデターに反対し、「西側」の「国境なき巨大資本」に逆らう人間は焼き殺すというデモンストレーションだという意見もある。

 これまで「恐怖戦略」は繰り返されてきた。例えば、1948年4月9日、パレスチナではデイル・ヤシン村がシオニスト(イルグンとレヒ)に襲撃され、村民254名が虐殺されたが、これはアラブ系住民を脅し、追い出すことが目的だった。同じことがオデッサでも行われたのではないか、ということだ。おそらく、日本のような国ならば効果的な作戦だろうが、革命を経験し、ナチスと死闘を演じた地域に住む人が怖じ気づくかどうかはわからない。

 攻撃を正当化するため、「生け贄」が使われたと疑われているケースもある。例えば、イラクでは2004年4月にファルージャで4名の傭兵が殺され、その出来事を切っ掛けにして戦闘が激化している。その際、「西側」のメディアは「民間人」が虐殺されたと扇情的に報道していたが、勿論、この表現は正しくない。4名の前歴を見ると、3名が海軍の特殊部隊SEALの元隊員、ひとりは陸軍のレンジャー出身だった。アメリカ軍の一般兵士より戦闘能力は高い。

 その1年前、ファルージャではアメリカ軍が非武装の住民を銃撃、20名近くを殺している。イラク人は恐怖で屈服せず、反米感情を強めていき、一触即発の状況になった。そうした場所へ軽武装で4名のアメリカ人を入れたのである。

 善意に解釈すれば無謀。戦乱を広げるために仕組まれた可能性もあるだろう。戦争が続けば、軍需産業など戦争ビジネスだけでなく金融機関も大儲けでき、イラクが発展して自立することも避けられる。アメリカという国が衰退することを「国境なき巨大資本」は気にしていない。国が弱体化すれば、巨大資本が乗っ取ることができる。

 巨大資本がウクライナを制圧できなくても戦乱が拡がればロシアからEUへ天然ガスや石油を運ぶパイプラインを剪断することができる。ロシアの収入源を潰せるだけでなく、EUへのエネルギー供給も絶たれてしまう。つまり、ロシアとEUを弱体化できる。アメリカにとってロシアは「表の敵」だが、EUは「裏の敵」だ。

 当然、EUもアメリカのこうした思惑は理解している。EUの指導層は買収されているようだが、そうした人びとだけではない。最近の動きを見ていると、ドイツで風向きの変化が見られる。

 つまり、キエフの暫定政権の顧問としてCIAやFBIの専門家数十名が送り込まれているとビルト紙日曜版が報道したのに続き、スラビャンスクで拘束されていたOSCE(欧州安全保障協力機構)メンバーのうち、ドイツ人の4名は情報機関と接触していたと南ドイツ新聞が伝えているのだ。わかっていた話だが、「西側」のメディアが伝えたという事実は興味深い。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2014.05.06 02:15:41



© Rakuten Group, Inc.