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《櫻井ジャーナル》

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2014.06.23
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 ウクライナの戦乱を終わらせるため、関係者が全て参加した話し合いを始めようとロシア政府は呼びかけている。この問題に関してウラジミール・プーチン露大統領はドイツのアンゲラ・メルケル首相とフランスのフランソワ・オランド大統領と電話で議論、独仏両国とも話し合いを支援することを示唆したようだ。アメリカ/NATOに引きずられて窮地に陥ったEUとしては、状況を好転させるチャンスだと認識しているのだろう。

 ロシア政府が話し合いを始める突破口に使おうとしているのは、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領が宣言した一時的な停戦。その宣言は東部や南部の分離独立派に武装解除と国外追放に応じることを求めるもので、降伏しろという最後通牒にすぎない。本格的な軍事作戦を実行する前の儀式として「停戦」という言葉が欲しかったのだろうが、それを逆手にとられた形だ。

 すでにEUではアメリカ/NATO、特にネオコンが主導する戦争路線への反発が強まっている。ロシアへの「制裁」で最もダメージを受けるのはEUであり、戦争になればEUもロシアも廃墟になり、動植物は死滅する可能性もある。アメリカの好戦派はワンサイド・ゲームで勝てると妄想しているのかもしれないが、すでにロシアは爆撃機をアラスカやカリフォルニアの近くに飛ばして警告している。

 こうした警告がなくても、通常の思考力がある人なら、核戦争になればロシアやEUだけでなくアメリカも日本も破滅することはわかるだろう。ところがそうしたことのわからない、正気とは思えない人がアメリカを動かしている。そうした人たちに従属しているのが日本の「エリート」たち。現在の基準では、広島や長崎に落とされた原子爆弾は「小型核兵器」だということもわかっていないかもしれない。

 アメリカ/NATOは1990年代の後半から旧ソ連圏の制圧を目指してきた。1999年にはチェコ、ハンガリー、ポーランドが、また2004年には旧ソ連圏のブルガリア、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、バルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)がNATOに加盟、ロシアを圧迫する。

 バルト3国に設置されたNATOの訓練施設では、2004年からウクライナのネオ・ナチが軍事訓練を受けていると言われ、2013年9月にはポーランド外務省がクーデター派の86人を大学の交換学生を装って招待、ワルシャワ郊外にある警察の訓練センターで4週間にわたり、暴動の訓練をしたという。そのひとつの「成果」がキエフのクーデターだ。

 このポーランドでもアメリカ/NATOへの反発が政府内に渦巻いていることが判明している。ラドスラフ・シコルスキー外相が元財務相と私的に話した内容が盗聴され、ポーランドの雑誌が明るみに出したのである。それによると、ポーランドとアメリカの同盟は無価値であり、全く有害であり、ドイツやロシアとの争いに発展するとしたうえで、アメリカ人に「フェ●チオ」をしているので、すべてが最高になるとポーランド人は思っていると自嘲気味に語っている。つまり、ドナルド・トゥスク首相の外交政策を批判しているわけだ。

 トゥスク首相は盗聴で秘密が漏れていることに怒り心頭のようだが、シコルスキー外相の言っていることは正しく、日本にも当てはまりそうだ。その日本にはポーランドを「ソ連とドイツ、熊と狼のような全体主義国にはさまれ」ている無垢の少女のように表現、1980年に設立された反コミュニスト労組の「連帯」を崇める人たちもいる。この労組がCIAと緊密な関係にあり、バチカン銀行から不正融資の形で資金が流れていたことも秘密ではない。その「伝統」が今でも生きているということだ。





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最終更新日  2014.06.24 01:55:26



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