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《櫻井ジャーナル》

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2014.11.15
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 7月17日にウクライナの戦闘地域上空で撃墜されたマレーシア航空17便に関する興味深い衛星写真をロシアの「チャンネル1」が明らかにした。「ジョージ・ビルト」と名乗る人物(勿論、偽名を使っているだろう)からロシア技術者組合のイワン・アンドリエフスキー第1副委員長へ送られてきたようだが、その写真には旅客機と戦闘機と思われる航空機が写っていて、戦闘機がミサイルを発射した痕跡と思える白い線も見える。

Ch1-MH17

 アンドリエフスキーはMH17の撃墜に関する分析を発表(英語訳は9月)、その分析に同意するというEメールに写真は添付されていたという。この衛星写真はイギリスかアメリカのものだとロシア側は推測しているようだが、ロシア軍はアメリカのスパイ衛星が撃墜時に上空にいたと主張している。状況証拠と合致しているだけに偽造写真の可能性もあるのだが、アンドリエフスキーによると、そうした痕跡は発見できなかったという。

 アンドリエフスキーは分析の中でブーク・ミサイル・システムが使われたとは考えにくいとしたうえで、残骸に残された弾痕と思われる穴の状況も考慮、戦闘機のスホイ15かミグ29が空対空ミサイルと銃撃で劇津視させた可能性が高いとしていた。彼によると、スホイ15とミグ29はレーダー上、同じように表示されるのだという。

 実は、西側が主張するようにブークが使われたとすると、キエフ軍が発射したか、ロシア軍が撃ったのか、ロシアからシステムが持ち込まれたとしか考えられない。キエフ政権のビタリー・ヤレマ検事総長は軍からの情報として、反キエフ軍がこうしたミサイルを奪取したことはないと発表しているからだが、ロシアの関与を西側は否定している。そうなると、新ロシア(ドネツクとルガンスクの統合人民共和国)軍に撃墜された可能性は限りなくゼロに近づいてしまう。

 これはアンドリエフスキーも指摘していることだが、ブークはミサイルを発射する際に大きな音を出し、強烈な光を発する。しかも軌道に沿って白い煙を残していく。つまり遠くからでも確認でき、住民は気づくだろう。携帯電話が普及している現在なら、誰かが映像を残しているはずだが、そうしたことはない。

 それどころか、7月下旬にミサイルの発射地点とされた地域を調査したBBCロシアの取材チームに対し、旅客機の近くを戦闘機が飛んでいたと証言、キエフ軍の航空機は民間機の影に隠れながら爆撃しているという話も映像に記録している。ミサイルの発射地点とされた地域を調査したところ、ウクライナの治安機関SBUが主張する発射現場から実際にミサイルが発射されていないことを確認したとも報告している。

 これはアメリカやキエフにとって都合の悪い情報。BBCはこの映像をすぐに削除したようだが、今回の衛星写真についての報道は一応、している。ただ、これまで反キエフ軍、あるいはロシア軍が撃墜したと宣伝してきたこともあり、「偽造説」を紹介しているが、その根拠は示していない。反キエフ軍やロシア軍を非難するときに根拠、証拠の類いを手提示してこなかったが、同じことの繰り返しだ。(この撃墜に関して本ブログでも何度か取り上げたが、この出来事についてまとめた記事が一水会の機関紙「月刊レコンキスタ」の「平成26年9月1日」付け紙面に掲載されている。)

 今回の衛星写真公表はオーストラリアでG20の会議開催にタイミングを合わせている。そのオーストラリアの首相、トニー・アボットはMH17撃墜に関し、ロシアのウラジミル・プーチン大統領を繰り返し非難している。1975年にアメリカ政府はイギリス女王エリザベス2世の総督、ジョン・カーを使ってゴフ・ウィットラム首相を解任したが、その後のオーストラリア政府はアメリカの完全な操り人形。その役割をアボットは必死に果たそうとしたのだろう。

 そうしたオーストラリア首相はともかく、G20に参加する国々の首脳に対しては少なからぬ影響を今回の衛星写真は及ぼす可能性は小さくない。嘘を取り繕うために嘘をつくという悪循環は自らの首を絞めることにもなる。すでにドル離れが世界的に起こりはじめている現在、アメリカにとっては嫌な流れだ。





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最終更新日  2014.11.17 04:48:35



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