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《櫻井ジャーナル》

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2014.12.09
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 キエフ政権のアメリカ色はますます濃くなってきた。12月2日に金融大臣となったナタリー・ヤレスコはシカゴ生まれで、1990年代まではアメリカの外交官。1992年から95年まではウクライナのアメリカ大使館に勤務していた。2004年から05年にかけて実行された「オレンジ革命」でビクトル・ユシチェンコが大統領に就任すると、その顧問として働いた。ウクライナ国籍を取得したのは12月2日、つまり大臣に就任したその日だ。経済大臣に就任した人物はリトアニアの投資銀行家で、保健大臣はグルジア人。ふたりともアメリカの影響下にあると言われている。このふたりも同じ日にウクライナ国籍を取得したという。

 クーデターの前からウクライナは経済的に破綻していた。西側の巨大資本を後ろ盾にするユシチェンコ政権はウクライナの資産を一部の個人資産に移し替える政策、つまりエリツィンと同じことを行い、やはりオリガルヒ(一種の政商)を生み出した。このオリガルヒを介して富は西側の金融機関へ流れ、そこからロンドンを中心にするオフショア市場のネットワークへ沈み、投機市場で運用されているはずだ。当然、資産を奪われた国は疲弊する。

 この疲弊を利用してウクライナを制圧しようとしているのがエネルギー会社やアグリビジネス。キエフ政権はIMFからカネを借り、東部や南部の民族浄化を進めてきたが、借金を返済するめどは立っていない。穀倉地帯のほか、天然ガスが出ると言われる東部や南部を西側の巨大資本は奪おうとしている。つまり、西側の手口は高利貸しと同じ。「客」を借金だるまにして尻の毛まで抜いてしまおうとしている。

 ウクライナでクーデターが始動したのは昨年9月にヤルタで開かれた国際会議からだと言われているが、その下準備はソ連が消滅した直後から始まっている。昨年12月13日にはアメリカ(ネオコン/シオニスト)のビクトリア・ヌランド国務次官補は米国ウクライナ基金の大会で演壇に登場し、1991年からウクライナを支援するために50億ドルを投資したと発言している。その際、彼女の背後には巨大石油企業シェブロンのマークが飾られていた。

 そうした流れの中、ユシチェンコが大統領に就任、その下で首相になったひとりがユリア・ティモシェンコ。彼女のパトロンは投機家のジョージ・ソロスである。ボリス・エリツィン時代にロシアで国の財産を盗んで巨万の富を築いたオリガルヒのひとり、ボリス・ベレゾフスキーもオレンジ革命の支援者だ。

 クーデターが山場を迎える前、2月4日にヌランド次官補とジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使の電話での会話が明るみに出た。何者かが盗聴、YouTubeにアップロードしたのだ。

 その中でヌランドに高く評価されていたのがアルセニー・ヤツェニュク。クーデター後に首相となっている。このヤツェニュクは東部や南部のロシア系住民を「劣等人類」と表現、またティモシェンコ元首相はウクライナにいる800万人のロシア人(ロシア系住民)を核兵器で皆殺しにすると口にしている

 アメリカは日本が中国やロシアに接近することを嫌い、「領土問題」という仕掛けを作り上げた。歴史を直視できない「妄想史観」の背後にも、おそらく、アメリカのが存在しているだろう。アメリカの好戦派自身、ヤルタでの合意を否定したがっているようだ。同じように、アメリカはロシアとEUとの関係が深まることを警戒している。ロシアとEUが手を組んだなら、アメリカの支配力は大幅に小さくなり、誰にも相手にされなくなる。

 ロシアとEUを結びつける最大の要素はエネルギー源。今、アメリカが叫んでいる「制裁」の目的はロシアとEUを分断することにある。これによってEUは大きなダメージを受け、アメリカなしには存在できなくなるという読みだろう。

 また、エネルギー源の販売先を潰すことでロシア経済を破綻させ、ウラジミル・プーチンを排除してエリツィンのような傀儡を大統領に据えようとしているのだろうが、パイプラインは中国やトルコへつながることになり、目論見は外れた。現在、石油相場が暴落しているが、これにもアメリカが介在していると見られている。経済戦ではアメリカが劣勢だ。





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最終更新日  2014.12.10 02:23:06



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