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《櫻井ジャーナル》

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2015.02.04
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 2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された事件に関与したとされ、終身刑を宣告されているザカリアス・ムサウイがサウジアラビア王室との関係を昨年、明らかにしているという。

 ムサウイが本当に「9/11」に関与したかどうかは不明だが、アル・カイダにサウジアラビアの王室メンバーが資金を提供していることは広く知られている話。そこで、この話が事実だとしても驚きでないのだが、サウジアラビア国王が交代したタイミングで情報が出てきたことは興味深い。

 ムサウイによると、彼はアフガニスタンにあるアル・カイダのキャンプで訓練を受け、オサマ・ビン・ラディンとサウジアラビアの王子との間で遣り取りする私信を配達、その際に王子時代のサルマン・ビン・アブドルアジズ・アル・サウド新国王を含む王室のメンバーとも会ったという。ワシントン駐在の大使館員とは「エア・フォース・ワン(アメリカ大統領専用機)」をスティンガー・ミサイルで撃墜する話をしたこともあると語っているようだ。

 サウジアラビア王室の中でサルマン新国王はアル・カイダと関係が深いというが、実際の工作への関与という点ではバンダル・ビン・スルタンやタルキ・アル-ファイサル(タルキ・ビン・ファイサル・アル・サウド)、あるいはIS(イスラム国。ISIS、ISIL、IEILとも表記)の雇い主と言われているアブドゥル・ラーマン・アル・ファイサルの名前が出てくる。

 バンダルは1983年10月から2005年9月まで駐米大使を、2012年7月から14年4月まで総合情報庁長官を務めた人物で、ブッシュ家と緊密な関係にあることからバンダル・ブッシュとも呼ばれている。駐米大使に就任する前から国王の特使としてアメリカで活動、大使になった頃はアメリカ政府がサウジアラビア、イラン、ニカラグアで秘密工作を展開していた時期で、そうした工作にも関与していた。

 ズビグネフ・ブレジンスキーがアフガニスタンで秘密工作を始めた1979年から2001年まで総合情報庁長官を務めていたのがタルキ・アル-ファイサル。長官を辞めて10日後に「9/11」があった。2005年から07年までは駐米大使を務めている。バンダルの後任大使ということだ。

 2007年にはアメリカ、イスラエル、サウジアラビアがシリアやイラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始したと調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュはニューヨーカー誌の2007年3月5日号に書いている。こうした秘密工作で中心的な役割を果たしたのはリチャード・チェイニー副大統領、ネオコンのエリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官やザルメイ・ハリルザド、そしてサウジアラビアのバンダルだと言われている。

 このバンダルは2013年7月末にロシアを極秘訪問、ウラジミール・プーチン大統領らに対し、シリアからロシアが手を引けば、ソチで開催が予定されている冬期オリンピックをチェチェンの武装グループの襲撃計画を止めさせる、つまり手を引かないと襲撃させると脅したという。当然、プーチンは激怒、バンダル配下の武装勢力を掃討する作戦を展開したようだ。

 10月にバンダルはイスラエルを訪問したというが、その直後からウクライナの首都キエフでは反政府の抗議活動が始まる。その背後にアメリカ政府が存在していたことは本ブログでも繰り返し、指摘してきた。

 アメリカ(ネオコン)、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟は崩れていないように見えるが、この同盟とオバマ大統領の周辺との関係は揺らいでる。ISは「三国同盟」側が使っている戦闘部隊だ。





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最終更新日  2015.02.05 01:32:36



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