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《櫻井ジャーナル》

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2015.02.25
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 アメリカの支配層、特にネオコン/シオニストは1991年にソ連が消滅してから世界制覇プロジェクトを開始、旧ソ連圏、中東、アフリカ、南アメリカというように、世界規模で戦乱を拡大させ、東アジアでも軍事的な緊張を高めている。2月12日にはベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領がクーデター計画を阻止したと発表した。この日、ベネズエラ軍を装ったアメリカの傭兵会社「アカデミ」(かつてのブラックウォーター)の航空機が大統領官邸を攻撃してマドゥロ大統領を暗殺、ベネズエラ国内に潜入させたエージェントに暴動を演出させることになっていたという。

 アメリカやサウジアラビアは石油相場の急落を演出、ロシア、イラン、ベネズエラなどにプレッシャーをかけてきたと言われているが、それだけでなく、昨年12月にアメリカ政府はベネズエラに対しても「制裁」、つまり経済戦争を強化している。

 このクーデター計画は2月6日に完成、「ジェリコ計画」という暗号名がつけられ、アメリカのNSC(国家安全保障会議)のリカルド・ズニーガが指揮したと言われている。この人物は2009年から11年にかけてCIAのハバナ支局長を務め、反フィデル・カストロ派をキューバ国内で編成するためのエージェントを雇う工作を行っていた。軍事行動の責任者はSOUTHCOM(アメリカ南方軍)で情報部門を統括しているトーマス・ゲリー准将とアダデミのレベッカ・チャベス。

 キューバはアメリカとの関係改善を進めているように見えるが、裏ではクーデターの準備が進められていたということだ。そこで、今回のアメリカ政府の動きも「カラー革命」でキューバの体制を転覆させる布石だと推測する人も少なくない。

 ベネズエラでもNEDをはじめとするNGOが中心的な役割を果たしたようだが、イスラエル、イギリス、カナダ、ドイツも参加、それぞれチャベス派の暗殺、プロパガンダ、国際空港のコントロール、NATO諸国の人びとの保護を担当することになっていたという。

 クーデターが成功した場合、大統領に就任する予定だったとされているのはマリア・コリナ・マチャド元議員。マチャドはアントニオ・ロデスマ、レオポルド・ロペスと共同で11日に声明を発表、新政権への移行を訴え、石油産業の私有化、経済の規制緩和、IMFなど国際金融機関との協定を主張している。「国境なき巨大資本」にベネズエラを支配させ、国の資産を略奪し、自分たちは「オリガルヒ」になりたいという宣言だ。

 ベネズエラの現政権はウーゴ・チャベスの政策を引き継いでいる。アメリカはその政策を止めさせ、「国境なき巨大資本」が儲けやすい環境を作り上げようとしてきた。チャベスが大統領に就任したのは1999年。その3年後にアメリカはクーデターを試みて失敗している。この計画が失敗した理由は、事前にOPECの事務局長を務めていたベネズエラ人のアリ・ロドリゲスからチャベスへ知らされたため。

 そのとき、クーデターの黒幕として名前が挙がったのは、ネオコン/シオニストのエリオット・エイブラムズ、キューバ系のオットー・ライク、秘密工作の常連であるジョン・ネグロポンテ。アメリカの武官、例えばジェームズ・ロジャーズ中佐の関与も指摘されている。クーデターの際、アメリカ海軍がベネズエラ沖で待機していたという。

 WikiLeaksが公表したアメリカの外交文書によると、2006年にもクーデターが計画された。「民主的機関」、つまりアメリカの支配システムに組み込まれた機関を強化してチャベスの政治的な拠点に潜入し、チャベス派を分裂させ、アメリカの重要なビジネスを保護し、チャベスを国際的に孤立させるとしている。そのチャベスは2013年3月、癌のため、58歳の若さで死亡した。癌の原因が人為的なものかどうかは不明だ。

 1年前に本ブログで書いたことだが、アメリカのクーデター計画はその後も続き、昨年2月17日にはアメリカの外交官3名、つまり副領事のブレアン・マリー・マックスカー、ジェフリー・エルセン、そして二等書記官のクリストファー・リー・クラークが国外追放になっている。アメリカはベネズエラの学生組織していたようで、そうした学生グループのリーダーは、11日に声明を出したひとりで、ハーバード大学で学んだ経験のあるレオポルド・ロペスだとされていた。





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最終更新日  2015.02.25 06:00:43



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