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《櫻井ジャーナル》

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2015.07.29
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 アメリカで1987年に終身刑を言い渡されたイスラエルのスパイ、ジョナサン・ポラードが恩赦で釈放されるという話が流れている。ポラードはNISC(海軍情報支援センター)の分析官だった人物で、ATAC(反テロリズム警報センター)」へ配属された1984年から自身のコンピューターを使ってアメリカの情報機関のシステムに侵入して機密情報を盗み、イスラエルへ渡していた。それらの大半がソ連へ売られたようだ。

 ポラードを動かしていたのはイスラエルの情報機関、科学情報連絡局(LAKAM)のラファエル・エイタン局長(ラファエル・エイタン中将とは同姓同名の別人)。イスラエル軍情報局ERD(対外関係部)に所属した経験があり、イツハーク・シャミール首相の特別情報顧問を務めたこともあるアリ・ベンメナシェによると、ポラードに盗むべき情報をアドバイスしていたアメリカ人のひとりはロバート・マクファーレン(1983年から85年にかけて国家安全保障問題担当補佐官)だったという。勿論、この証言をマクファーレン側は否定している。

 マクファーレンとエイタンとの電話を盗聴した人物もいる。後に国防長官を務めるロバート・ゲーツだ。彼のグループはオリバー・ノース中佐の秘書の母親を抱き込み、ふたりの電話を盗聴したのだ。ノースの秘書だったフォウン・ホールはマクファーレンの秘書を務めていたウィルマ・ホールの娘だった。イスラエルのスパイだという証拠をつかまれたマクファーレンは1985年末にNSC(国家安全保障会議)を辞めている。

 現在、ネオコン/イスラエル第一派はアメリカ議会やメディアに圧倒的な影響力を持っているが、こうした状況になったのは1990年代以降のことだ。実際、ゲーツは1980年代にネオコンと対立していた。

 イスラエルは世界を恫喝する手段として核兵器を使っているが、この「大量破壊兵器」を手に入れる過程でさまざまな西側の協力があった。開発資金をエドモンド・アドルフ・ド・ロスチャイルド(祖父のエドモンド・ジェームズ・ド・ロスチャイルドは1882年にユダヤ教徒のパレスチナ入植を支援するために資金を提供)をはじめとする富豪が提供、1960年3月には西ドイツのコンラッド・アデナウアー首相がニューヨークでダビッド・ベングリオン首相と会談、核兵器開発のために1961年から10年間に合計5億マルク(後に20億マルク以上)を融資することを決め、1960年代にイギリスは核兵器用のプルトニウムをイスラエルへ秘密裏に供給していた。

 これに対し、1961年にアメリカ大統領となったジョン・F・ケネディはイスラエルの核兵器開発に対し、厳しい姿勢で臨んでいる。同国のダビッド・ベングリオン首相と後任のレビ・エシュコル首相に対し、半年ごとの査察を要求する手紙をケネディ大統領は送りつけ、核兵器開発疑惑が解消されない場合、アメリカ政府のイスラエル支援は危機的な状況になると警告しているのだ。

 そのケネディは1963年11月22年に暗殺され、副大統領から昇格したリンドン・ジョンソンは議員時代、親イスラエル派の中心的な存在だった。ケネディがジョンソンを選んだのは選挙の勝敗を決すると見られていたテキサス州向けの対策だった。ジョンソンは軍需産業ともつながっている。

 ジョンソン政権下、1967年6月にイスラエルがエジプトとシリアを奇襲攻撃している。第三次中東戦争だが、この際、アメリカが派遣した情報収集船のリバティが公海上でイスラエル軍の攻撃を受ける。沈没はかろうじて免れたものの、乗組員34名が殺され、171名が負傷した。

 ジョンソン政権はイスラエルに対し、エジプトを攻撃しても良いと許可したが、シリアも攻撃するのではないかと懸念、リバティを派遣したと言われている。シリアをイスラエルが攻撃した場合、ソ連軍が出てくる可能性があり、そうなることを恐れたという。ゴラン高原の占領を狙うイスラエルにしてみるとリバティ号は邪魔な存在で、始末しようとしたと見られている。

 イスラエル軍は偵察飛行を繰り返した後、まず船の通信装置を破壊したが、リバティは何とか至急電を送ることに成功、15分以内に第6艦隊の空母サラトガは4基のA1スカイホークを離陸させた。そばには空母アメリカもいたのだが、この艦長は戦闘機を発進させようとせず、ロバート・マクナマラ国防長官は離陸した戦闘機に帰還を命じている。結局、ホワイトハウスが戦闘機を救援に差し向けることを決断したのは至急電を受けてから1時間ほど後のことだった。

 アメリカ政府は攻撃を受けている自国船を助けることに躊躇している。その後、この攻撃をアメリカ支配層は封印し、この時の交信を記録した大量のテープをNSAは破棄したという。戦後、アメリカの軍や情報機関の好戦派はソ連を核攻撃しようとしていたが、この時、リバティをソ連軍が攻撃したとしてソ連と戦争を始めようとしていたグループがいたとしても不思議ではない。





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最終更新日  2015.07.30 10:26:34



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