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《櫻井ジャーナル》

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2015.10.24
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 ロシア軍の空爆でアル・カイダ系武装集団やそこから派生したIS(ISIS、ISIL、ダーイシュなどとも表記)は大きなダメージを受けている。現在、ISと最も密接な関係にある国はトルコだと本ブログでは何度も書いてきたが、2013年8月にシリアであった化学兵器による攻撃に与党の公正発展党が関与していると共和人民党(CHP)は10月21日に発表、注目されている。2014年4月17日付けロンドン書評誌に掲載されたシーモア・ハーシュの記事はCHPの主張と合致する。

 公正発展党の最高実力者はレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領(2013年当時は首相)で、同国の情報機関を使ってISを支援しているほか、ISがイラクで盗掘した石油の密売でエルドアンの息子は重要な役割を果たしていると言われている。

 その息子が所有するBMZ社の手で盗掘された石油はパイプラインでトルコのジェイハンへ運ばれ、そこからタンカーでイスラエルへ輸送し、そこで偽造書類を受け取ってEUで売りさばくという仕組みだというのだ。一説によると、販売を請け負っているのはサウジアラビアのARAMCO。

 共和人民党によると、サリンが実業家の手を経てトルコからシリアへ運ばれてISが使用したことをトルコの検察当局はつかみ、早い段階で13名の容疑者を逮捕したのだが、政府の圧力ですぐに釈放されたという。

 シリアのバシャール・アル・アサド体制に対する軍事攻撃は始まったのは2011年3月のことだが、反シリア政府軍を操っていたのはNATO加盟国のアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、ペルシャ湾岸産油国のサウジアラビア、カタール、そしてイスラエルなど。

 WikiLeaksが公表した文書によると、2006年にアメリカのジョージ・W・ブッシュ政権はサウジアラビアやエジプトと手を組んでシリアを不安定化させる工作を開始、2007年3月5日付けニューヨーカー誌に掲載されたシーモア・ハーシュのレポートによると、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの「三国同盟」がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を始めている。

 その中でサウジアラビアと緊密な関係にあると指摘されているのがムスリム同胞団とサラフ主義者。この延長線上に2011年に始まったリビアやシリアへの軍事侵略はある。

 2012年8月にアメリカ軍の情報機関DIAが作成した文書の中でも、反シリア政府軍の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIで、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとしている。シリアで体制転覆を目指す戦闘が始まった当時からAQIは反政府軍側。彼らはアル・ヌスラという名前を使い、シリア各地で軍事作戦を展開したともいう。そのDIAは2013年6月、アル・ヌスラに神経ガスを生産、使用する能力があると警告する報告書を提出している。

 エルドアンたちはリビアと同じようにNATO軍とイスラム武装勢力の連係攻撃を目論んだ。2011年3月に戦闘が始まったときからトルコにあるアメリカ空軍インシルリク基地では、アメリカのCIAや特殊部隊、イギリスやフランスの特殊部隊から派遣された教官が戦闘員を訓練、シリアへ反政府軍の兵士として送り出している。

 イスラエルでの報道によると、シリア国内にはイギリスとカタールの特殊部隊が潜入、ウィキリークスが公表した民間情報会社ストラトフォーの電子メールによると、アメリカ、イギリス、フランス、ヨルダン、トルコの特殊部隊が入っている可能性がある。すでにイギリスの特殊部隊SASの隊員120名以上がシリアへ入り、ISの服装を身につけ、彼らの旗を掲げて活動しているとも最近、報道された。

 当初から西側の政府やメディアはシリア政府による「民主化運動の弾圧」を盛んに宣伝していた。その情報源として重宝されていたのは、外国勢力の介入を求めていたシリア系イギリス人のダニー・デイエムやロンドンを拠点とする「SOHR(シリア人権監視所)」だ。

 デイエムが「シリア軍の攻撃」を演出する様子を移した部分を含む映像が2012年3月にインターネット上へ流出してしまうが、その後も彼を使っていたメディアは反省せずにプロパガンダを続け、その「報道」を引用する「リベラル派」や「革新勢力」もある。

 SOHRは2006年に創設され、背後にはCIA、アメリカの反民主主義的な情報活動を内部告発したエドワード・スノーデンが所属していたブーズ・アレン・ハミルトン、プロパガンダ機関のラジオ・リバティが存在していると指摘されている。

 内部告発を支援しているWikiLeaksが公表した文書によると、SOHRが創設された頃からアメリカ国務省の「中東共同構想」はロサンゼルスを拠点とするNPOの「民主主義会議」を通じてシリアの反政府派へ資金を提供している。2005年から10年にかけて1200万ドルに達したようだ。

 デイエムの嘘が発覚した直後、2012年5月にホムスのホウラ地区で住民が虐殺される。その時も西側の政府やメディアはシリア政府に責任があると主張していたが、現地を調査した東方カトリックの修道院長は反政府軍のサラフ主義者や外国人傭兵が実行したと報告、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と語っている。ロシアのジャーナリストやドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙も同じように伝えていた。

 そして2013年8月のサリン騒動。シリア政府が化学兵器を使ったと西側では大合唱だったが、早い段階からロシア政府が否定、国連へ証拠を添えて報告書を提出している。反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾していることを示す文書や衛星写真が示されたとジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる。

 そのほか、化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事が伝えられ、10月に入ると「ロシア外交筋」からの情報として、ゴータで化学兵器を使ったのはサウジアラビアがヨルダン経由で送り込んだ秘密工作チームだという話が流れた。

 12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事を発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。

 シリア政府が化学兵器を使ったとする話が嘘だということは、DIAの報告を受けていた統合参謀本部もバラク・オバマ大統領も知っていた。そうした中、ネオコンはシリア攻撃を主張していたのだ。

 そして2013年9月3日、地中海の中央から東へ向かって2発のミサイルが発射された。このミサイル発射はロシアの早期警戒システムがすぐに探知、明らかにされるが、ミサイルは途中で海へ落下してしまう。イスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、ジャミングなど何らかの手段で落とされたのではないかと推測する人もいる。

 ホワイトハウスの内部が揉めている中、ドイツから提供されたイスラエルのドルフィン級潜水艦からミサイルが発射されたが、シリア/ロシアによって墜落させられたという可能性がある。その後、ロシア政府は自国軍の戦闘能力が高いことを見えにくい形で示してきた。その延長線上にロシア空軍による空爆がある。

 その空爆で大きなダメージを受けたISなどの戦闘員はEU、アフガニスタン、新疆ウイグル自治区などへ移動、「テロ」を目論んでいるとも言われている。その黒幕は言うまでもなくネオコンであり、その勢力に従属しているのが安倍晋三政権だ。





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最終更新日  2015.10.24 17:43:10



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