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アメリカ政府が主張する「テロとの戦い」とは、「テロリストを使った戦い」を意味している。本ブログでは繰り返し書いていることだが、シリアで政権転覆を目指して戦っているアル・カイダ系武装集団やそこから派生したIS(ISIS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)を編成、訓練、支援しているのはアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、カタールといった国々だ。
1970年代の終盤、ズビグネフ・ブレジンスキーの戦略に基づいてイスラム(スンニ派)の武装勢力は組織され、アメリカの軍やCIAが戦闘員を訓練してきた。ロビン・クック元英外相も指摘していたように、そうした訓練を受けた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイルがアル・カイダだ。ちなみに、アラビア語でアル・カイダとは「ベース」を意味する。「基地」とも訳せるが、「データベース」という意味でも使われる。こうした武装勢力のメンバーはサラフ主義者(ワッハーブ派)が中心で、この傾向は現在も変わっていない。 こうした戦闘員を使い、2007年にはアメリカ、サウジアラビア、イスラエルがシリアとイランの2カ国、さらにレバノンのヒズボラをターゲットにした秘密工作をはじめているが、この「三国同盟」はブレジンスキーがアフガニスタンではじめたプロジェクトで形成された。アフガニスタン工作の一端は「イラン・コントラ事件」という形で発覚、そのときにこの3カ国の名前が出ている。 最近ではシリアで戦うアル・カイダ系武装集団やISの主要兵站ラインがトルコからのものだと西側メディアも伝えるほど広く知られるようになり、盗掘石油がトルコへ運び込まれていることも明確になっている。 そうした石油はイスラエルへ運ばれていると言われているが、ここにきてトルコとロシアとの関係が悪化、石油や天然ガスの供給源を確保するため、トルコはイスラエルから購入するという情報が流れている。 ある種の人びとは「人民の反乱」という標語を見た瞬間、実態を調べることなく恍惚としてしまうようだ。「人民の反乱」というタグがついていれば、軍事侵略でも「断固支持する」ような人がいる。「テロとの戦いは失敗する運命」にあると言う人も同類だ。この意味は「テロリストを使った侵略は成功する」ということであり、こうした主張は侵略者にとって好都合。タグではなく事実を見る必要があるのだが、そうしたことをすると侵略者が支配する体制では生き辛くなるだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.12.11 11:57:05
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