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《櫻井ジャーナル》

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2016.09.27
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 シリアでアメリカとロシアは睨み合いから鍔迫り合いの段階に進んでいる。あくまでもバシャール・アル・アサド政権を倒して傀儡体制を築くという「予定」を実現しようとするアメリカの好戦派と話し合いで解決しようと努力しているロシアでは、ロシアが努力すればするほど事態は悪くなる。現在のアメリカに「憲法9条」のような考え方は通用しない。

 イギリス下院の外交委員会は9月14日、リビア情勢に関する報告書を公表した。シリアと同じようにリビアの場合も最初から政府軍とイスラム武装勢力の戦闘で、「独裁者に対する虐げられた人民の蜂起」ではなかったことを明らかにしている。西側メディアの報道は嘘だったということだ。そうした西側メディアを信じている、あるいは信じている振りをしている人びとは、たとえ「権威」であっても、信用すべきでない。

 リビアでの戦闘は2011年2月、シリアでは3月に始まっているが、夏になる前から西側メディアの「報道」が嘘だということは判明していた。そうした「報道」を信じたなら相当の愚か者であり、信じた振りをしたなら悪い奴だ。

 2012年5月にホムスのホウラ地区で住民が虐殺された際、現地を調査した東方カトリックの修道院長は反政府軍のサラフ主義者(ワッハーブ派)や外国人傭兵が実行したと報告し、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実と全く違っている。」と語っている。

 サラフ主義者/ワッハーブ派はサウジアラビアが雇っている傭兵の中心で、2012年8月にアメリカ軍のDIA(国防情報局)が作成した報告書でも、サラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてAQI(アル・ヌスラ)がシリアにおける反乱の主力であり、西側、湾岸諸国、そしてトルコが支援していると書いている。

 当時、バラク・オバマ政権は「穏健派」を支援していたが、そうしたものは存在せず、その方針を変えなければ、シリア東部にサラフ主義の支配地が作られるとDIAは警告していた。その予測はダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)という形で現実になる。

 アメリカ政府は勿論、西側のメディアもアメリカ軍がアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュと戦っているかのように主張してきたが、それが嘘だということは最初から明らかで、アメリカ軍の幹部や副大統領もそうした事実を認めている。

 例えば、2014年9月に空軍のトーマス・マッキナニー中将はアメリカがダーイッシュを作る手助けしたとテレビで発言、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長(当時)はアラブの主要同盟国がダーイッシュに資金を提供していると議会で発言、同年10月にはジョー・バイデン米副大統領がハーバーバード大学で中東におけるアメリカの主要な同盟国がダーイッシュの背後にいると語り、2015年にはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官もアメリカの友好国と同盟国がダーイッシュを作り上げたと述べている。

 そして2015年8月、マイケル・フリン元DIA局長はアル・ジャジーラの番組へ出演した際、自分たちの任務は提出される情報の正確さをできるだけ高めることにあり、情報に基づく政策の決定はバラク・オバマ大統領が行うと指摘している。つまり、オバマ政権の決定がダーイッシュの勢力を拡大させたというわけだ。

 また、今年8月16日にはアメリカ軍の広報担当者、クリストファー・ガーバー大佐は自分たちが戦っている相手はダーイッシュだけであり、アル・ヌスラではないと明言している。2001年9月11日以降、「テロの象徴」として扱われ、侵略の口実に使われてきたアル・カイダ系武装集団は「穏健派」だというわけだ。

 ウクライナにしろシリアにしろ、アメリカの支配層は傭兵を使って殺戮と破壊を繰り返してきた。ウクライナはネオ・ナチ、シリアはリビアと同じようにアル・カイダ系武装集団だ。

 アル・カイダはロビン・クック元英外相が指摘したように、CIAに雇われて訓練を受けた数千人におよぶ戦闘員のコンピュータ・ファイル。「アル・カイダ」とはアラビア語で「ベース」を意味し、「データベース」の訳語としても使われている。この仕組みを作り上げた人物は、ジミー・カーター政権で大統領補佐官を務めていたズビグネフ・ブレジンスキーだ。

 ジャーナリストのシーモア・ハーシュは2007年3月5日付けのニューヨーカー誌で、アメリカがサウジアラビアやイスラエルと共同でシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始したと書いている。

 2003年にイラクはアメリカ軍が主導する連合軍に先制攻撃を受けてサダム・フセイン体制は崩壊、その後も殺戮と破壊が続いている。それにシリアとイランを加えた3カ国を5年から10年で殲滅すると1991年に語ったのは、国防次官を務めていたポール・ウォルフォウィッツだ。

 その年の12月にソ連は消滅、翌年の初めには国防総省のDPG草案という形で世界制覇プランが作成された。当時の国防長官はリチャード・チェイニーだが、作成の中心がウォルフォウィッツだったことから、ウォルフォウィッツ・ドクトリンとも呼ばれている。旧ソ連圏だけでなく、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、膨大な資源を抱える西南アジアを支配しようというものだ。

 2001年9月11日に世界貿易センターと国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃された10日後、ドナルド・ラムズフェルド国防長官の周辺では攻撃予定国リストが作成され、そこにはイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたという。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)最高司令官の話だ。(3月10月

 マスコミが言うところのアメリカとロシアの激しい遣り取りとは、アメリカ政府が自分たちの手下であるアル・カイダ系武装集団やダーイッシュを攻撃するなと叫んでいるのに対し、ロシアは「テロリスト」を支援するなと批判しているということだ。オバマ政権が「テロリスト」を育てたことはアメリカの情報機関でさえ指摘、ヒラリー・クリントンは同じ政策を進め、核戦争の危険性を高めようとしている。





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最終更新日  2016.09.27 11:50:55



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