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シリアのアレッポを政府軍が制圧した際、反政府軍側で戦闘に参加していた14名以上の外国人将校をシリアの特殊部隊が拘束したと伝えられている。その報道によると、出身国はアメリカ、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、カタール、ヨルダン、モロッコだとされ、名前も掲載されているが、こうした作戦に参加する将兵は偽造書類を携帯していることが通例で、詳しい調査が必要だろう。また、別の情報によると、拘束された将校はアメリカ人22名、イギリス人16名、フランス人21名、イスラエル人7名、トルコ人62名だという。
バシャール・アル・アサド政権の打倒を目指す国外勢力は傭兵を投入するだけでなく、自国の特殊部隊を潜入さていることは以前から指摘されていた。例えば、モサドと関係の深いイスラエルのメディアDEBKAfileが2012年2月8日の段階でイギリスとカタールの特殊部隊がシリアで活動していると伝えている。 またWikiLeaksが公表した民間情報会社ストラトフォーの電子メールでは、アメリカ、イギリス、フランス、ヨルダン、トルコの特殊部隊が入っている可能性があるとされ、イギリスのエクスプレス紙は昨年8月、すでにイギリスの特殊部隊SASの隊員120名以上がシリアへ入り、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)の服装を身につけ、彼らの旗を掲げて活動していると報道した。シリア政府によると、ドイツも特殊部隊を侵入させたという。 デリゾールで攻勢の準備を進めていたシリア政府軍を9月17日にアメリカ軍が主導する連合軍はF-16戦闘機2機とA-10対地攻撃機2機で攻撃、80名以上の兵士を殺し、28日には2つの橋を、30日にも別の橋2つをそれぞれ爆撃して破壊、政府軍の進撃を止めようとした。17日のケースでは、空爆の7分後にダーイッシュの部隊が地上でシリア政府軍に対する攻撃を開始している。 アメリカ政府は空爆を「ミス」だと主張しているが、現在の戦闘技術や当時の状況を考えると、意図した攻撃だった可能性はきわめて高い。リビアのときと同じように、アメリカは地上の傭兵部隊と連携しているようだ。 この攻撃でロシア政府はシリアでの戦乱をアメリカ政府との話し合いで解決することを諦めた可能性がある。ロシア系メディア(アラビア語のスプートニク)によると、シリア北部の要衝、アレッポの山岳地帯にある外国軍の司令部をシリア沖にいるロシア軍の艦船から発射された3発の超音速巡航ミサイルが9月20日に攻撃、約30名が殺されたという。死亡者はアメリカ、イギリス、イスラエル、トルコ、サウジアラビア、カタールから派遣された軍人や情報機関の人間で、デリゾールででの空爆を指揮したのはこの司令部だとも言われている。アレッポで拘束された将校と出身国は重なる。 アメリカ軍主導の連合軍によるシリア政府軍に対する攻撃が引き金になったかどうかは不明だが、その直後にアメリカが特殊部隊をシリアに増派しているとする情報が伝えられた。イランのメディアFARSによると、シリア北部にある7つの基地に部隊を派遣、そのうちマブロウカには少なくとも45名、アイン・イッサには100名以上、コバネには300名以上、タル・アブヤダには少なくとも200名だとされている。勿論、こうした派兵はシリア政府軍が承諾したものではなく、侵略行為にほかならない。 アレッポをシリア政府軍が奪還したことで侵略勢力は大きなダメージを受けたが、シリア支配を諦めたわけではない。手先の戦闘部隊を立て直し、巻き返しを目論んでいる。イギリス政府が20名の「軍事顧問団」を送り込むという情報が10月に流れたが、こうしたグループが健在なら、再攻勢の準備を進めていることだろう。 ちなみに、侵略勢力は侵略の口実として「穏健派支援」を掲げているのだが、何度も書いてきたように、「穏健派」とは西側の好戦派がつけたタグ、あるいは御札にすぎない。2001年9月11日の攻撃以降、アメリカ政府は「テロリスト」の象徴として「アル・カイダ」を宣伝したが、シリアでは「穏健派」として扱っている。悪役として残された戦闘部隊がダーイッシュだ。西側の支配層はタグの付け替えでシリア侵略をこれからも進めようとしている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.12.18 19:51:04
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