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《櫻井ジャーナル》

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2017.05.02
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THAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムを韓国へ設置する口実として、アメリカ政府は朝鮮のミサイルを掲げている。朝鮮のミサイル攻撃からアメリカが韓国を守っているというストーリーだが、それが事実ならドナルド・トランプ米大統領が韓国に対して10億ドルをよこせと言っても理屈は合っている。が、その発言に慌てたネオコンのH・R・マクマスター国家安全保障補佐官はアメリカが費用を出すとテレビで大統領の発言を否定している。





韓国では5月9日に大統領を決める投票があり、THAADに慎重な姿勢を見せている文在寅が配備賛成の安哲秀をリードしていると伝えられている。4月25日にTHAAD(終末高高度地域防衛)ミサイル・システムのレーダー、ランチャー、通信機器を含む機器がトレーラーでゴルフ場の「ロッテスカイヒル星州カントリークラブ」へ運び込まれたが、その際に抗議活動があった。大統領候補のふたりにしろ、韓国民にしろ、THAADが中国を意識した兵器であり、韓国と中国との関係を悪化させる仕掛けとしても使われていることを理解しているだろう。

朝鮮のミサイルを脅威と感じていない点では、おそらく、日本の国民も同じだ。アメリカ政府が危機を演出、日本のマスコミも騒いでみせているが、人びとが気にしていないことは街の様子を見ても推測できる。

29日に朝鮮が弾道ミサイルを発射したとして地下鉄や新幹線が一時、運転を見合わせたようだが、駅員は指示通りに動いただけのことであり、指示した会社の幹部は政府の気持ちを忖度したのだろう。こうしたとき、官僚は実際に指示しないものだ。後で責任を問われる材料を残さいのが彼らの遣り方。質問の形をとることもある。駅員にしろ会社幹部にしろ、彼らが恐れたのはミサイルでなく自分の立場が揺らぎ、収入に響くことだろう。マスコミで働く人びとや学者の多くもそうした思考をする。

勿論、THAADはヨーロッパに配備されたミサイル・システムと同じで、アメリカの支配システムを維持するために中国とロシアを恫喝することが目的。核戦争を仕掛ける準備だ。本ブログでは何度も指摘しているように、アメリカやイスラエルの基本戦術は狂犬、あるいは凶人を装って相手を屈服させるというもの。脅せば屈すると信じ、大多数の国に対しては機能した。が、中国とロシアには通じない。通じない相手を核戦争で脅していると、どこかの時点で本当の核戦争になる。そうした政策を推進しようとしていたのがヒラリー・クリントンだった。選挙戦の時点ではそうした事態を避けようとしていたトランプだが、大統領就任から100日も経たないうちに核戦争を望まない人びとはホワイトハウスから排除されてしまった。





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最終更新日  2017.05.02 13:12:53



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