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ジャマル・カショーギがトルコのイスタンブールにあるサウジアラビア領事館で殺害されたことを受け、サウジアラビアのモハンマド・ビン・サルマン皇太子を排除するべきだとする声が上がっているのだが、その一方で皇太子を擁護する動きもある。 そうした皇太子擁護者のひとりがイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相。ドナルド・トランプ政権の高官に対し、ネタニヤフ首相はビン・サルマン皇太子を支援し続けるように訴えたと報道されている。皇太子は中東における戦略的な同盟者だということが理由だった。エジプトのアブデル・ファター・アル・シシ大統領もビン・サルマンを重要な戦略的パートナーだとしている。 ビン・サルマンがホマメド・ビン・ナイェフに替わって皇太子へ就任したのは2017年6月のこと。2015年の時点で次期アメリカ大統領はヒラリー・クリントンが内定、それを前提としてビン・ナイェフは皇太子になったのだが、16年の選挙で勝ったのはトランプ。そこでトランプに近いビン・サルマンへ交代になったと言われている。 トランプの最大のスポンサーはカジノ経営者のシェルドン・アデルソンだが、このアデルソンはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相と緊密な関係にある。トランプ、アデルソン、ネタニヤフのグループにビン・サルマンも含まれているのだ。 それに対し、ビン・ナイェフとつながっていたヒラリーはロッキード・マーティンのような軍需産業だけでなく巨大金融資本も後ろ盾で、CIAとの結びつきも強かった。この人脈にはブッシュ家と緊密な関係にあり、アル・カイダ系武装勢力を動かしていたバンダル・ビン・スルタンも含まれている。 この人脈をビン・サルマンは昨年11月に粛清した。拘束の上で拷問、資産を剥奪したと言われている。その2カ月前にジャマル・カショーギはアメリカへ逃れ、ネオコンが拠点にしているワシントン・ポスト紙のコラムニストになった。 カショーギ殺害の背後ではアメリカ支配層の内部抗争がある。その対立がビン・サルマンを排除しようとする動きと擁護する動きという形で現れている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.11.02 13:25:39
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