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confuoco Dalnara

miscellanea

風景、特に砂嵐や果てしない砂漠、白茶けた峡谷に目をみはった。
緑の湖から紅の谷へ、そして黄色い砂...中国の故宮につかわれている3つの色が浮かび上がってくる気がした。

老不死の風貌がドン・キホーテみたいと思ったら感情移入してしまって
彼は今どこに?と画面を追ったり、戦いぶりをはらはらしながら観ていたりした。
少ない水を分配する場面(飲み水はひとり1日14口?とか)や
砂漠で水を探すところも興味深かった。
砂漠に地下水の湧き出るところがあるなんて、ちょっと不思議。
シルクロードの「さまよえる湖」を思い出してわくわくした。

結末は、ヨーロッパで言う'Deus ex Machina'のようにも思えたけれど、
当時の人々が信じていたことや世界観を考えたら自然ななりゆきだったのかもしれない。
歴史のロマンを感じる楽しいアクション映画だった。

主演の中井貴一の撮影記が本になっているそうだが
読みたくなったくらい。


'Seabiscuit'も良かった。ところどころでじわりと涙が出て来る。
馬と真摯に向き合う姿が良かった。
(赤毛のひとは気性が激しいのかな)ちょっと思ってもみたり。
いろいろな方向からのカメラワークが他の映画よりも印象的で楽しめた。


'Crooklyn'

黒人の子どもがBrooklynと発音する代わりにCrooklynと言っているのがその映画のタイトル。
TVをつけたら70年代の黒人のファミリーを描いた映画をしていた。
ちょうど両親と子ども5人が車で遠くへ出かけるところで、
途中からだったけれど、(どこへ行くのかなぁ)と思って見はじめた。
主人公の女の子、名前はTroy。強くて弱くて賢くて繊細でおしゃれでカワイイ...。
母親が先立ってからはMomみたいに弟に話しかけていた。
葬式の場面も、湿っぽくないのが印象に残った。
豊かではないけれど最期はゴージャスに、ということで街行く人が振り返るような車に乗って教会へ行く。
「ソウル・トレイン」という番組に合わせてTVの前で踊りだす子どもたちの
agileな踊りっぷりに驚いた。子どもの時から踊る踊る...。
1968's number 1 single 'LaLaLa Means I Love You'が「ソウル・トレイン」から流れてきた。
初めて聞いた曲なのだけれど、歌詞に魅かれた。
(I Love Youの代わりにLaLaLa♪って言うのもいいかも...)と心に留めた。
LaLaLa、タルララ(Dalnara) means I Love You♪って...。

なにげなく見た映画のちょっとしたシーンだけが記憶に残るのはなぜだろう。
クッキーの缶に入ったフィルムの切れ端みたいに...。
以前夜中にちらと見たイギリス映画で
'Big Issue'を立ち売りしている姿にはっとした。
最近東京のあちこちで立ち売りが見られるが、
その'Big Issue'のイントネーションが英語と日本語といっしょで、ふしぎな感慨があった。
* 'Big Issue'はホームレスしか売り手になれないオピニオン誌。

Spike LeeのBrooklynは、'Do the Right Thing'の時とだいぶ違っている。


'TROY'

3400年前も同じことをしている。
兄弟を殺され兄弟を殺し
神像を破壊し
永遠にやめない、と言っている。
王家に伝わる剣をパリスがアイネイアス(アエネアス)に渡して名前を聞く。
そのアイネイアスがトロイを脱出し、ローマ帝国を建国する...という続きもいつかスクリーンで見たい。


Mischief managed!
~'Harry Potter and the Prisoner of Azkaban'

ハリーの乗ったバスはトトロの猫バスみたいな速さで走っていくのが楽しかった。
車掌はcockney?、Dickensに出てきそうなかんじ。
宿屋でテーブルにあった空の酒瓶が
台布巾の中に、
4次元ポケットのようにすいこまれて消えた!
こんな細部にも魔法が描写されている。(マギー一門は映画見ないのかなぁ)
全体的に霧がかかった夜
一枚紗をかけた薄曇な映像が大人っぽくてよかった。
地図の羊皮紙の色とセピア色のインクも...。
Alfonso Cuaron監督いい!
食べ物があまり出てこないのも大人っぽい演出...かな?

Buckbeakは大きな赤ちゃんみたいで可愛かった。
同級生のParvatiはインド系らしくこわいものは蛇だった。ヒンズー教の女神の名だもの..
魔法の言葉、Expecto patronum!はSo coool!
あの地図を映像で見ることができたのが楽しくって愉快♪
忍びの地図にセピア色の足跡がとことこ行くのが楽しい。
Mischief managed!


『さらば、わが愛』から『シルミド』

先日深夜に映画『覇王別姫』をしていたので
チャンネルを合わせた時から、
また見てしまった。
ちょうど太平洋戦争が終わったあたりから見始めた。

そこでも
紅衛兵の言うことしたことは、今の感覚では残酷で、石頭で荒唐無稽と思えて
映画『シルミド』を思い返した。
『シルミド』も『殺人の追憶』も
戦争を主題としたものではなく
冷戦や戒厳令や国の体制に関わるから
映画化するのは難しい題材と思う(戦争のほうが悲劇性がより普遍的にとらえられるから)。
『覇王別姫』の「自己批判せよ」という紅衛兵の言葉が聞こえると
相対化は難しい、とも思った。
『シルミド』のカン・ウソク監督も、『殺人の追憶』のポン・ジュノ監督も
センシティヴなことがらを主題にすることついては
真摯に取り組まねばといったことを語っていた。

『殺人の追憶』を観た人で「韓国の警察はだめ」
と言うのを聞いていたので、
『シルミド』も
「韓国軍部(政府)ってひどいよね」という
皮相なレベルに収束してしまわないかちょっと気になっていた。
『殺人の追憶』は
ドラマの表層や旧時代の滑稽さを超えて
犯人は平凡な人だった、と人間の本質や本性に言及する構成なので
主題を捉えそこねることはあまりない、とも思ったけれど...。
(じっさい捕り物ではないのだから)

やはりジョン・ダンの詩 "Meditation XVII"が想起される(again and again)。

'No man is an island, entire of itself;
every man is a piece of the continent, a part of the main.
・・・・・・
any man's death diminishes me, because I am involved in mankind,
and therefore never send to know for whom the bell tolls;
it tolls for thee.'

人は誰もひとつの島そのものではない、
人は人類という島の一部、ひとつの断片だ。
・・・・・・
誰であれ、人の死は私に喪失感をもたらす、私は人類の一部だから、
人類の一部が失われたから。だから誰のために弔鐘が鳴っているのか
知ろうとすることはない。鐘は汝のために鳴っている。

蝶採り
監督のイオセリアーニはグルジア出身。グルジアの映画は、パラジャーノフ監督が好きだったので
今度はどんな映像詩かと楽しみにして見に行った。
映画『蝶採り』の館の老婦人のいとこはフジ子・へミングに似ている、自転車を走らせる横顔が特に。
materialに執着しない、淡々とした姿もフジ子像と重なる。
フランス語で、フランス映画のようだったが
幽かにスラブ的なものが馥郁として香る。
亡霊は監督自身だそうだが、その登場のしかたが
ロシアの小説のようでもあったから(ドストエフスキー?)。
また、老婦人が世を去った時、一頭の馬が駆け抜けていく映像にスラブ的なものを感じた。
その馬から、pale horse(蒼ざめた馬)、死の使者を連想する一方で、
ロシアのニュースRTRのオープニングで白い馬が青い画面を走り去るのを見ているからかもしれない。
電報が送られて行くさま、電線をつたって行く様子がシニカルに旧ソ連を思い出させる。

登場人物の性格でなく
登場人物の血が、波乱万丈な事件をひきよせているような気もした。
そこが、フランス映画っぽくなく、少しロシア的で、粗野な空気と激情と虚無感があって
おもしろかった。
貴族的な年寄りの粗野さか、ロシアの大地の粗野さか
あるいは欧州の振る舞いか、ざっくばらんな淡白さとのんしゃらんが印象的だった。


映画『マッハ!!!!!!!!』を見て。
トニー・ジャーは寡黙で
タイの仏像のような顔をしていた。
ワイヤーなし、CGなし、スタントなし、早回しなしの
アクション・シーンには見とれてしまった(スローモーション、シーンの繰り返しはあった)。
一方、働きながら学校に通う子ども、麻薬密売
バンコクと地方都市との経済的格差、干ばつに苦しむ農村の生活など
背景の現実の過酷さに気付かされもした。
さまざまな肌の色、顔立ちの人たちが登場し現実を映し出す。
仏教の信仰が篤いタイの人々の生活、ライトアップされた寺院の華やかさにはびっくり。
バンコクの空は青い日もあったけれどな...
映像はちょっとくすんだ橙色がかかっていた。どんなカメラでとったのだろう。
トゥクトゥク(タイの三輪車タクシー)のレースもおもしろかった。
三輪車というタイらしい風物と三輪の不安定さから来る動きがちょっと新鮮。

映画は、ジャッキー・チェンの数々の主演作へのオマージュでもあるそうだが
ただそれだけでなく、タイらしい人情が感じられた。言葉のやわらかい響きがちょっと広東語に似ているかも。

テコンドー、体操の経験もあるトニー・ジャーはいったい今何歳なのだろう。
ほんとうに無垢でおだやかな仏像のような表情をしている。
映画の中に登場するいくつかの仏像の顔も
国や時代によって少しずつ異なっているのだろう、興味深い。

僧になること、
親や家族や村の人を大切にする姿が清清しかった。
最後の場面でのヘアースタイルは友人を悼んでのもの。
それを見た時、店の男の子には「髪型真似するな!」と怒っていた姿が思い浮かんで
じーんとくる。


'White Room'(Cream)がカッコよい。
映画『69 sixtynine』おもしろかった。マンガっぽいオチのシーンもあった、60年代風(!?)。
あのお父さん(柴田恭兵)とお母さん(原日出子)いいなぁ、適度に放任で。
アルファロメオの女、井川遥もいい。フランス語会話に出ていたのは2年くらい前。
マドンナ太田莉菜、今年度ロシア語会話に少し出ている。Jilleの表紙でも見たけれどやっぱり可愛い。
昨年度のハングル講座に出ていた三津谷葉子も出演。(ハングルだけ、「会話」でなく、「講座」なことに気づいた)
李相日監督。


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