中国朝鮮族の張律(チャン・リュル)監督作。
韓国の会社が製作投資、
益山市が舞台の『イリ(裡里)/이리』と共に製作された双子のような作品。
あらすじ
中国の大都市のひとつである工業都市重慶で
留学生に中国語を教える蘇芸(郭柯宇)は老いた父親と二人暮し。
ある日父が買春をした容疑で検挙される。
警官・王(小河)に父親を無罪放免してもらった蘇芸は
王と一夜を共にするが...
張律監督『重慶』(2008年)を中国インディペンデント映画祭で。
張律監督の描写はいつも寡黙で
釜山で観た
『豆満江/Dooman River』も
『キムチを売る女(芒種)』もそうだった。
今回その印象はますます強まった。
小説の行間を読むような
余白を想像させるような、
映像ではなく音だけで表現しようとするシーンもいくつもあったから。
故意に画を
映像をフレームの外に出し、はみ出させ
隠して不可視化し
フレームの外を想像させ想像力をかき立てるショットと音のつかい方。
もちろん画としては不完全、フレームが切れていて
不完全燃焼なのだが...
小津安二郎監督のローアングル・キャメラに匹敵するような、
張律節(チャン・リュル ぶし)と呼びたくなる独特の表現方法が
何度も画面から立ちのぼった。
例えば台所の左側だけ映っている画面で
父親の部屋(の方向)からはガラクタの崩れるような音だけが響く。
水面を見つめるヒロインの手元などは画面から隠されているが
植木鉢をつかった音が不安感をかき立てる。
土地を返せとひとりデモを市民が続けていた場所では
高所から人がどさりと道路に落ちる音がするが
その人間の体は画面からは隠されている。
最後に言及したシーンは
検閲を避ける意味もあったのかもしれないけれど...
繰り返される張律のショットで
見えない不安感と聴こえる音による不穏な空気が映画を、重慶を覆い続ける。
駅で爆発事故が起こった『イリ』の舞台は大都市重慶と比べると小さい町だが
もはや爆発寸前という重慶は過去に爆発したイリと結びついているという。
『重慶』にはイリの爆発事故に遭った韓国人男性が
流れ流れて重慶に辿りつきヒロインの生徒として登場する。
ハ・チュナの曲が韓国人男性の心象風景を映し出し、
その曲はヒロインにも伝染するようだ。
オム・テウン、ユン・ジンソ主演『イリ』(郭柯宇も出演)は
釜山国際映画祭名誉執行委員長キム・ドンホ氏もカメオ出演。
キム・ドンホ氏初監督作品『JURY』は
チャン・リュル監督が脚本を担当。
エンド・クレジットのThanks toには
キム・ドンホ氏の名もあり、
翻訳担当には
アジア映画評論の第一人者トニー・レインズ氏の名も
(トニー・レインズ氏はキム・ドンホ監督作品『JURY』にも出演)
アジア映画界の人の縁も感じ...
中国インディペンデント映画祭のスナフキン!の愛称がついていた
主演の小河氏はミュージシャン。
張律監督は小河氏のファンとのこと^^
to be continued...!?
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