結合双生児の人生

Joined at Birthより。
エンとチャン（8）

でもしばらくすると、エンとチャンはどちらの家にも長くいることはできないことがわかりました。
21人の子供を教育するには、農場の収入だけでは足りなかったのです。
二人は家族を養うために、ふたたびアメリカを巡業することにしました。
できるだけ家に帰るようにはしましたが、ほとんどの時間は巡業先で過ごしました。

家族と過ごす時間があまりに短かったので、二人はずっと他人から言われてきたことを真剣に考えるようになりました。
「手術で別々の体になれるだろうか？」
医学の進歩は目覚しいものがありましたが、医師が言うには分離はとても危険というものでした。
一見したところ、二人は肉のかたまりで結びついているだけのように見えましたが、実際にはひとつの肝臓を共有していたのです。
医師たちは、肝臓をうまく切断する自信はありませんでした。
分離すれば、二人のうちひとりが死ぬと医師には言われました。
当時の医療技術では、確かに、分離すれば二人のうちどちらかが死んだでしょう。

続く

晩年のエンとチャン