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2018.09.09
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セリーナ・ウィリアムズあるいは大坂なおみ、どちらの選手を応援するにせよ、これでは納得がいかないな。全米オープン女子単決勝は、審判が勝負に影響するという後味の悪いシナリオになってしまった。負けた方は、まだチャンスがあったのにモメンタムを削がれたという思いが残るだろうし、勝った方も、実力で勝利したという達成感が満タンにならないんじゃないだろうか。主審のカルロス・ラモスは、その点もう少し慎重に判断してほしかった。

コード違反は三度下された。すべて第2セットの出来事だ。大坂のサーブで40-15の時、主審ラモスが、セリーナのコーチ・ムラトグルー(Mouratoglou)が両手で何かの指示をしていることを見つけて、最初の違反を宣告した。ムラトグルーのジェスチャーは、ESPN解説者の推測では「もっとネットに出ろ」という指示だと解釈できるものだ。しかしビデオで見る限り、その瞬間セリーナがコーチを見ていたようにはみえなかった。だいたい、セリーナという選手は相当に頑固な性格のようで、コーチングの許される下部大会でも、コーチングに頼ったことはない、という。

プレーヤーズ・ボックス(コーチや家族にあてがわれた席)からのコーチングは禁止されている。しかし解説者・選手たちの見解では、多くのコーチがある程度の指示を出している、そうだ。しかし、それらしき行為が違反ととられることはあまり目にしたことがない。今回の場合、ムラトグルー自身もコーチングをしたと認めているので、審判に非はなかった。問題があるとすれば、コーチングを禁じているルールの方だろう。今後、このルールが改正される方向に動くのではないだろうか。プレーヤーズ・ボックスからの言動によるコーチングはよろしい、と。

一度目の違反は警告のみでペナルティを伴わない。しかし、違反は累積して勘定されるので、二度目はポイントを失い、三度目はゲームを失う、というペナルティが課せられる。

この試合で、セリーナは合計三度のコード違反を犯した。二度目は同じく第2セット、セリーナが大坂のサーブをブレイクして3-1とリードした後に起きた。30-15とリードしながらセリーナは二度連続ダブルフォールトをおかし、迎えたブレイク・ポイントで大坂のボールをネットにかけ、せっかく奪ったブレイクを返上してしまった。頭にきたセリーナはラケットをコートに叩きつけ壊した。これがコード違反ととられたのだ。最初の違反であれば警告のところを、二度目の違反であったため、次のゲームの最初のポイントを失うことになった。セリーナは、累積によってペナルティが課されるということをはっきり認識していなかったようで、次のゲームが始まった時に、15-0と告げられると、びっくりして審判のところに歩み寄った。

「私はコーチングを受けていないのだから、謝罪してください。私は自分の人生で一度も不正をした(cheat)ことはありません。」と、叫ぶような訴えが聞こえた。審判がコーチングとみなしたことは理解できるが、私はコーチングは受けていない、受けてないのだから最初の違反は違反として勘定されるべきでない、という主張だろう。所詮通るはずがないのに、このことを吹っ切れなかったことで、セリーナの心理はさらなる泥沼に嵌まり込む。

大坂がサーブをキープした後、セリーナは自分のサーブをブレイクされ3-4、ここでコート・チェンジとなった。まだ二度の違反のことが頭から抜けないセリーナは、ベンチから審判に抗議し続ける。頭に血がのぼると言わなくてもいいことを口にするのは人の常で、セリーナも一線を越えて「あなたは私から1ポイント奪った、あなたは盗人(a thief)だ」と言ってしまった。ベンチから立ち上がり次のゲームに向かうセリーナの後ろから、Ramos主審は「コード違反、言葉による侮辱、1ゲームの罰則」と宣告した。つまり、セット・スコアは3-5になってしまったのだ。セリーナは大会役員を呼んで抗議したが、判定が覆るはずもない。試合再開後、大坂はサービスをキープして優勝を果たした。

この<事件>は、セリーナにとってはとてつもない理不尽と思えただろうことは、理解できる。しかし、人生には理不尽なことは何度か訪れるのだ。それに対して怒りをぶちまけても泣きじゃくっても、誰も同意してくれないどころか、ほとんどの人は不平を言い続ける人間に嫌気が刺す。セリーナは決して悪い人間ではない、と思う。トロフィー授与の時には、しっかりと大坂のことを讃え、観客を大坂への称賛へと向けた。自分の立場をわきまえ品格をもって応対したと思う。ただ、セリーナにとっては人心をつかむとか人格者になることは重要ではないのかも知れない。それよりも何よりも勝ち続けることが一番大切なことなのだろう。それでもナダルやフェデラーのような品格を持つことは可能なはずだが…

この<事件>がなくとも大坂なおみはおそらく完勝しただろう、と思う。サーブとグランドストロークの破壊力に加えて、大坂のメンタルは大きく成長した。後は、ボレーを磨けばナンバー・ワンも夢ではない。一つ気になるのは、もうすぐ21歳になる大坂が日米どちらの国籍を選ぶか、ということだ。日本は二重国籍を認めていないので、日本を選べばアメリカ国籍は放棄することになる。フロリダに住み、ニューヨークを愛する大坂がアメリカ国籍を放棄するだろうか?ここ数回のインタビューを見る限り、大坂の日本への愛着はそれほど強くないように感じる。両親の意向も鍵になるかも知れない。国際結婚をした両親は、日本ではそれほど温かく受け入れられなかった可能性もある。日本に苦い思い出があれば、娘の国籍としてアメリカを勧めることもあり得る。ただ日本を選んだ方が、長期のビジネス的にはいいかもしれない。選手としても、日本でなら代表選手になるのは難しくない。アメリカでは、スティブンスやキーズに競り勝たなくてはならない。大坂家と大坂なおみにとっては難しい決断かも知れない。





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最終更新日  2018.09.09 18:31:00
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