カテゴリ:書籍の紹介
■伊藤元重の「ビジネス・エコノミクス」は、ずいぶん売れた本ですから、ご存知の方も多いでしょうが、経済学でビジネスを読み解くというふれこみの本です。
実際には、経済学者が、豊富な事例とともに経営戦略について考えるという趣です。示唆に富んだ部分が多くあって、ためになる本です。 たぶん古本屋にいっぱいあると思います^^ ■そこに競争戦略についての章があります。マイケル・ポーターのフレームワークを通じて、企業の競争について論じています。 著者は、企業が競争に生き残るためには、(1)競争相手を消滅させる(2)とにかく頑張る(3)差別化する、この3つしかないと言っています。 (1)は、相手を倒産に追い込むか、あるいは買収してしまう。 (2)は、安売りでもサービス合戦でもとことん戦う。 ということです。これはランチェスター戦略でいうと「強者の戦略」です。 そして(3)の差別化が「弱者の戦略」です。 ■ポーターは差別化の方法として、商品・サービスを特化する。特定の顧客に特化する。顧客に対するアプローチを変える。という3つの方法を提示しています。 これは要するに「誰に、何を、どのように」という事業ドメインを明確化するということに他なりません。 競争戦略のオーソドックスなフレームワークは、事業環境分析→方向性の決定→事業ドメインの明確化→マーケティング戦略策定ということですから、その通りの内容ですね。 (毎月のランチェスター戦略勉強会では、基本的にはこのフレームワークをつかって事例を斬っていきます) 「ビジネス・エコノミクス」には、現代日本の様々な事例が掲載されていますから参考になります。 ■私は差別化を2種類に分けています。方向性を決めるための大きな差別化と製品差別化などの小さな差別化です。 私が言う5つの鉄則。小さな市場で戦え。差別化せよ。一点突破せよ。勝ちやすきに勝て。ナンバーワンになれ。の中の差別化は、小さな差別化を示しています。 そのあたりが混同されやすいかも知れないので、今後、名称を変える必要があるかも知れませんね。 それはともかく。ランチェスター戦略とポーターのフレームワークをあわせると、かなりしっくりきます。 ■こういった内容をオリジナル小冊子に書いております。6月2日のセミナーで配布いたしますのでお楽しみに(^^)/ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 1, 2007 11:02:56 AM
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