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・・・ミケランジェロの晩年の大作といえば、宗教絵画史上に空前のセンセーションを巻き起こした、システィナ礼拝堂の大壁画「最後の審判」。
・・・いやもう、ひと目見たぐらいじゃ、どこに誰がいて、なんてさっぱりわからんぐらいの大群像ですが・・・中央やや高く、片手をふりかざすのがイエス。その左の腰布姿が「聖母マリア」。それを取り囲むように12使徒など弟子たち、そして殉教した聖人たち。彼らをいわば総司令部として、大きくいって左側は天に昇る善人たち、右は地獄に落ちる悪人ども・・・ 描かれた人数にも驚きますけど、目をひくのは登場人物たちの肌の露出度ですよ(爆)。主要人物たちはほとんど裸体で、まあきわどく18禁部分だけは隠してありますが・・・ところが、ミケランジェロが最初完成した時点では、これらの人物たちはすべて、オールヌードだったんですね(汗)。イエスを取り巻いて中央に集まる聖人たちが、手に手にそれぞれの身分や殉教を象徴する品物を指し示しているのは、ひとつにはそれがなければ誰が誰だかほとんど判別できない、という現実的理由もあったのだと思います。 しかし、これを見たときの関係者、とくに教皇を初めとした聖職者たちはさぞ目を剥いたでしょうね。イエスはもちろん、「聖母マリア」でさえ、オールヌードなわけで(汗)・・・怒った教会は他の画家に命じて、「マリア」には衣と腰布を、他の登場人物にもすべて猿股を書き加えさせてしまったというわけで、これを命じられた画家はそのあと、「猿股描きの☆☆」と、ありがたくない二ツ名をつけられてしまったとか(汗) さて例によって問題は、イエスの左に立つ女性は誰なのか、ですが・・・一応定説どおり、「聖母マリア」だとしましょう。彼女ならイエスの傍らに立っていても弟子たちも文句は言わないでしょうし(汗)・・・ところがそうすると、マリア・マグダレーナはどこでしょう? 聖書では女ゆえに弟子扱いはされてはいないけれど、後半生イエスのもっとも身近にあり、復活の生き証人とされる彼女なら、当然聖人たちの列の中にいて、身柄を証明するもの、たとえば香油の壷などを持って「司令部」に参加していなければなりません。ところが・・・いくら見ても、それらしい人物はいませんね。・・・描き忘れられたのでしょうか・・・いやまさか。それにしてもこの場合、「聖母マリア」と、マグダレーナの2人を比べてみるなら、弟子・聖人たちの一員として、という意味では、「聖母」がいないよりはマグダレーナがいないというほうがより不自然だといえるのではないでしょうか? そうすると・・・答えはひとつ、ということになりますね。この主の右の栄光の座にいる女性の正体は、おそらくマリア・マグダレーナ・・・そして彼女をヌードにしてしまったのは、衣服によって身柄を特定できないようにするため・・・白いフードだけは被っていたのですが、それはトレードマークの金髪を隠して、教会をあからさまに挑発しないためのカモフラージュにすぎないのではないでしょうか。そしてこの隠ぺい工作をさらにカモフラージュするために、その他の人物たちも全員すっぽんぽんにされてしまった(汗)・・・しかし、教会は気づいたようです。彼らが怒髪天をぬいて猿股描きの挙に及んだのは、聖母マリアをヌードにされたためではなく、その正体に感づいたからではなかったのでしょうか・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.14 00:30:26
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