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テーマ:映画館で観た映画(8351)
カテゴリ:洋画(あ行)
原題: AWAY FROM HER 監督・脚本 : サラ・ポーリー 原作 : アリス・マンロー 出演 : ジュリー・クリスティ 、 ゴードン・ビンセント 、 オリンピア・デュカキス 、 マイケル・マーフィー 鑑賞劇場 : 銀座テアトルシネマ 公式サイトはこちら。 <Story> フィオーナ(ジュリー・クリスティ)とグラント(ゴードン・ビンセント)は結婚して44年。 かつて大学教授時代には教え子との浮気でフィオーナを苦しめたグラントだったが、結局は妻のもとに帰り、今は仲睦まじく湖畔の家で暮らしていた。 ところが、フィオーナにアルツハイマー型認知症の症状が現れ始め、彼女は自ら介護施設への入所を決める。 面会に訪れたグラントはフィオーナが自分を認識できず、車椅子の男性オーブリー(マイケル・マーフィー)と親密に過ごす姿を目の当たりにする。 アウェイ・フロム・ハー 君を想う - goo 映画 <感想> これね。。。 今週金曜で上映が終了ってことだったんで、急いで観てきました。 サラ・ポーリーが一体どんな映画を作るかっていうのがそもそも興味もありましたし。 この予告も何となく優美な感じがして。 連れ添って44年もすれば、多少の山や谷を越えなければいけないし、 言いたい事やしたいことも時には我慢しなければならない。 それでもどうにか夫婦の形を保っている人たちだっている。 ここに出てくるアンダーソン夫妻だってそんなカップルなのかもしれない。 もしもフィオーナのアルツハイマーさえ発症しなければ、彼らの晩年だってつつがなく訪れ、そして人生を平凡に終えていたのだろう。 「悪い人生じゃなかった」って思うのはいつも男。 男たちは、「きっと妻だってそう思っているはず」と思いこんでいる。 だが、果たして妻たちはそうなのだろうか。 あの時、あの人はああだった、私に対しての仕打ちはこんなだった、 ある意味、妻たちは耐えることに慣れてしまい、波風を立てることによって今の生活を乱すくらいならこのまま何もなかったように過ごしていくほうが利口じゃないかと、 天秤にかけながら暮らしている。 それが、もし何かのきっかけで心のバランスが崩れたなら、 自分が受けてきた心の傷が再度さらされることがあったのなら、 そのまま、黙っていられるのだろうか。
1941年生まれのジュリー・クリスティ、今年67歳。 それなのにこの素晴らしいフィギュアはため息もの・・・。 彼女扮するフィオーナは、最新流行のスキーウェアだって見事に着こなし、堂々とクロスカントリーもして、 けだるくアップにした髪は、十分男性を魅了する。 「君と離れたくない・・・」 耳元でそうささやき、彼女を求める夫のグラント。 だがしかし、封印された彼女の息苦しさは、心の奥底に消え去ることなく渦巻いていた。 そこに現れたアルツハイマーの症状・・・。 自分は夫には形こそ捨てられなかったけど、いつ彼がいなくなってもおかしくないという不安と闘いながら生きてきた。 彼の愛の言葉は、一体何の意味があるの? 自分はもう彼を見分けられることは難しいのに・・・。 私は、彼女の病状が、本当にアルツなのか、それとも演技なのかっていうところが正直よくわからなかった部分がありました。 フィオーナは、夫や、彼女にかかわった人々に「ごめんなさい、あなたのこと覚えてない」と無邪気に謝れば済む訳です。 だって彼女はアルツハイマーなんですから。 ただし、もしも彼女がこれを装っていたとしたら・・・ それは究極の夫への復讐。 彼女は大事、だけど自分に言い寄ってくる女もそれなりに大事・・・ そうやって生きてきたグラントに対しての最高の底意地の悪さなんじゃないかなと。 ここまでさせてもう引き返せない時点まで連れてきて、 そしてそれはなかったことにしようと言う。 でもそれは「夫婦の愛」という仮面を纏っているから責められることはない。 ある意味、これまでの溜飲を下げているとしたら・・・。 それは調子よく生きてきた男たちや、男社会へのしっぺ返しみたいで、ちょっと小気味よさを感じてしまったな~(笑 『死ぬまでにしたい10のこと』、『あなたになら言える秘密のこと』でおなじみのサラ・ポーリー監督作品です。 男って、若かろうが年取ろうが、考えていることはみんな同じじゃん・・・ っていう彼女のポリシー(?)が垣間見えます。 長く連れ添ったから自分たち夫婦は安泰だ! なんて考えている男が多いけど、それは気を付けないとね^^; 本当に女性を、妻を満たしているのかっていうことを、胸に手を当てて考えてみるのもたまにはいいんじゃないかって、この映画は投げかけているのでは? そして同時に女性たちにも、パートナーとしっかり向き合っているのかを問うているのではないかな。。。
今日の評価 : ★★★★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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