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テーマ:映画館で観た映画(8367)
カテゴリ:邦画(あ行)
監督・原作・脚本・編集 : 是枝裕和 出演 : 阿部寛 、 夏川結衣 、 YOU 、 高橋和也 、 田中祥平 、 樹木希林 、 原田芳雄 鑑賞劇場 : CINECITTA' 公式サイトはこちら。 <Story> ある夏の終わり。 横山良多(阿部寛)は妻・ゆかり(夏川結衣)と息子・あつし(田中祥平)を連れて実家を訪れた。 開業医だった父(原田芳雄)と昔からそりの合わない良多は現在失業中ということもあり、気の重い帰郷だ。 姉・ちなみ(YOU)の一家も来て、楽しく語らいながら、母(樹木希林)は料理の準備に余念がない。 その一方で、相変わらず家長としての威厳にこだわる父。 今日は、15年前に不慮の事故で亡くなった長男の命日なのだ…。 歩いても 歩いても - goo 映画 <感想> 実は悩みながら観に行きました。どうも、何となくな家族の物語と聞いていたので。 ただ、いい意味でその思い込みはハズれまして、 なかなか考えさせられる1本でもありました。 これは、是枝監督の原作なんですね。 物語は、とある家族の1日を追った話。 お盆に、巣立って行った子どもたちの一家が集まってくる。 それぞれの事情を抱えて。 それぞれの思惑と、建前と、過去と、未来を背負って。 迎える老夫婦も、世間様や子どもたちに見せている顔とは違う顔を持つ。
どこにでもある家族、と言ってしまえばそれまでなのだが、 どこにでもいる家族だからこそ、その数だけ事情がある。 互いにしかわからなかった心の苦悩を初めて明かしたり、 今まで心の底に押し殺して生きてきた慟哭を、絞り出すように話したり。 自分の人生を築くことは楽しいことだけど、その反面、 生きていくこととは、こんなにも辛く、切ないことをはらんでいるから。 さすがと思わせるのはやっぱり樹木希林でしょうか。 「じゅりぃぃぃ~♪」(→ 旧いねっ♪)の頃と何となく似たような外見ではありますが(笑)、 プリズムのように、やさしさと交互に織りなしていく、しびれるような「毒」。 長く生きていくと、澱のように鬱積するものがある。それを体現していました。 そして嫁の夏川結衣。 なかなかどうして、彼女も、横山家に御縁があるだけあって、 このまま行くと、かなりな「毒」の持ち主になってしまいそうな予感がしたのは私だけ? 嫁の本音、姑の本音、母の本音、女の本音、 この2人を対比させるのも非常に面白い観方です。 YOUは是枝監督の常連になって行くんでしょうかね(笑 「従順そうだけど身勝手な女」、うまいのですが^^;
男性陣は女性陣に押されぎみに感じちゃったのですが、 長年の理不尽さにこれまた鬱屈した想いを抱いていた阿部ちゃん。 結局、親の想いに応えてないことで恨みを晴らしたように感じちゃったんですが。。 それも何だか切ないですね。 父親の原田芳雄の、男の身勝手さとかも、あるある~って。 そして高橋和也もいい味出してましたね。 歩いても歩いても・・・。 答えはそこにあるのか、ないのか。 同じような悩みが繰り返されて、それぞれの家の中にあって。 目の高さよりも海面の方が高い、三浦海岸というロケ地もよかったですね。 あの急な坂を、らせんのように上り下りしていくのは、 人生みたいにどことなく、辛かったり楽しかったりするんじゃないかなあ。。。
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面白そうな映画ですね。出演されている俳優さんもどの方も好きですし。特に阿部さんの演技が好きなのです。
身近な題材でわかりやすそうなところもいいなあと思いました。 (2008.07.10 21:44:16)
そうなんですよ、これ結構な毒があるんです。
でも家族や親戚とのつながりには、こういう毒が欠かせない ものですよね(^^; 淡々としているようで、日常を振り替えさせられる1本だと思います。 (2008.07.10 22:42:29)
こんばんは~
どこにでもある家族だけど、何一つない人などいない。 それも当然のことなんですよね。生きているんだから。 よくないとわかっていてもどうにも止められない「毒」だって、生きていたら持たざるを得ないかもしれない。 そんなこと考えました。 (2008.07.10 23:12:58)
こんにちは~~。
「今」の公開はないのですが、気になってました・・・ 静かな中に、家族の色々な葛藤がありそうですね。 “毒”・・・キライじゃないなぁ。。。 (2008.07.11 08:20:42)
こんにちは~
>静かな中に、家族の色々な葛藤がありそうですね。 >“毒”・・・キライじゃないなぁ。。。 ----- 生きているとどうしても綺麗な気持ちだけでは生きてはいけないですね。 誰しもが思い当たることがあるんじゃないでしょうか・・・。 (2008.07.11 13:36:02)
高橋和也さんて、なにげにいいですよね。今後じわじわと、三浦友和さんみたいな年でもっと注目浴びるかもしれません。旬君もこの映画をすすめていましたので、見ようと思っていたんですけど、さて、この時期、無事に鑑賞済ませられるかな??(花男依存症の私が)
(2008.07.11 17:32:17)
こんばんは~
>高橋和也さんて、なにげにいいですよね。今後じわじわと、三浦友和さんみたいな年でもっと注目浴びるかもしれません。 若いうちからいろいろと芸歴長くても、年を重ねてから光ってくる人もいますもんね。 高橋くんは、彼の人間性がすごくいいんじゃないかなって思います。だから役になりきれるんでしょうね。 >旬君もこの映画をすすめていましたので、見ようと思っていたんですけど、さて、この時期、無事に鑑賞済ませられるかな??(花男依存症の私が) ----- 旬くん太鼓判なら行かないとですね!! 笑 花男を1回減らせ・・・ ます!? ^^; (2008.07.11 20:43:22)
こんにちは~
>葬儀や年忌..一歩間違えば毒の飛ばし合い! >見聞きしたのと重ねてしまうかも。。。(^^;) >観たいですね~ ----- そういう大きな行事じゃなくて、盆の帰省のときの話なんですよね。 その、たった一晩の中で浮き彫りになる、しがらみの深さですよ。。。 チャンスありましたらご覧くださいね!! (2008.07.11 20:45:09)
私も観てきましたよ
なんか苦笑する映画でしたね たいした事件もないのになんか観いってしまいました。 さすが是枝さん。 樹木さんも相変わらず。もうちょっとのんびり感があるともっとよかったと思いますが。 (2008.07.18 18:06:03)
こんにちは^^
たった1日だけなのにどうしてこんなに「毒」が噴き出してくるのでしょうか・・・。 どこの家にもあるからなんでしょうか(苦笑 ちょっと小憎たらしいくらいの描き方がよかったです。 (2008.07.18 18:25:20)
返信が遅れてしまってゴメンなさい。
この映画みたいに何かとお盆は人の出入りがあって・・・・(汗) 娘としても嫁としても見ることのできる面白い作品でした。 そのうち姑としての目線も加わるんでしょうね~。 (2008.08.19 23:27:03)
こんばんは^^
>返信が遅れてしまってゴメンなさい。 >この映画みたいに何かとお盆は人の出入りがあって・・・・(汗) いえいえ。お気になさらないで下さいね。忙しいのはこの時期はね(苦笑) みんな同じですよ~ >娘としても嫁としても見ることのできる面白い作品でした。 >そのうち姑としての目線も加わるんでしょうね~。 ----- 女として通る道なんですよね。客観的に見るとすごくどろ~っとしてますけど。。。 (2008.08.20 03:06:35)
枝豆とみょうがを合わせたのはお寿司!?
あれ作ってみたいな~と思っています。 お彼岸の今日は、まさにコレ! ちょっぴり希林さんしてきました。 ドク.ドク..(^^;) (2008.09.21 19:37:58)
こんばんは~
>枝豆とみょうがを合わせたのはお寿司!? この映画、何気に食べ物系が美味しそうでしたよね。ただ枝豆を茹で上げて、塩をふるシーンも美味しそうでした。 >お彼岸の今日は、まさにコレ! ちょっぴり希林さんしてきました。 ドク.ドク..(^^;) ----- 盆暮れっていろいろありますもんね。。。 お疲れ様でした。 (2008.09.21 21:53:20)
こんばんは。すっかりお邪魔が遅くなってしまってごめんなさい。
イントロの数秒を聴いただけで、「ああ。だから」と思った、ブルーライトヨコハマ。 最初から最後まで全部唄えるし、「じゅりぃ~」も知ってる悠雅です。 あれ以来、この作品のタイトルを見ると、メロディつきで読んでしまいます。 ついでに言うと、その昔、キケンな男臭さが魅力だった原田芳雄が、 おじいちゃまになっているのが、ちょっと寂しかったりします(笑) どこか実家に似てる。 知人や親戚に似た人がいる。 1人で聴きたい歌?そりゃ、わたしにもあるわよ… 思わず共鳴する描写と、それを上手く体現していた出演者たち。 だからこそ、観客の多くが、自分と重ね合わせたり、 違った立場で物事を考えてみたりできるのでしょうね。 歩いても歩いても、またその先に道があって、 いつまでもその時々の歩調で歩いてゆく人生。 その時、隣に誰かいてほしいな… そう思った時に思い浮かぶのが、家族なのかもしれません。 (2008.10.30 21:43:24)
こんばんは~
>すっかりお邪魔が遅くなってしまってごめんなさい。 いえいえ、お気遣いなく。。。 >イントロの数秒を聴いただけで、「ああ。だから」と思った、ブルーライトヨコハマ。 >最初から最後まで全部唄えるし、「じゅりぃ~」も知ってる悠雅です。 私も両方とも記憶に残ってますよ^^ あの場面で思わずレコードといっしょに歌ってました。 >原田芳雄が、おじいちゃまになっているのが、 真っ白の御髪でしたよね。。。 >思わず共鳴する描写と、それを上手く体現していた出演者たち。 生きていくことって、そうそう綺麗な部分ばかりではありませんよね。 誰でも、掘り返したくない話の1つや2つあって当たり前ですから。 >歩いても歩いても、またその先に道があって、 >いつまでもその時々の歩調で歩いてゆく人生。 >その時、隣に誰かいてほしいな… >そう思った時に思い浮かぶのが、家族なのかもしれません。 ----- 何だかんだ言い合って、ぶつかり合って、愛憎交えてもなお、最後は戻るのでしょうか。 考えさせられる1本でした。 (2008.10.30 23:01:12)
>「従順そうだけど身勝手な女」、うまいのですが
激しく同意です~ ww 演技が巧いのは、もちろんなんですけど、 そもそもYOUさんが、 実生活で若い男子を捕まえ続けれる真相は、 まさに、その感じゆえだと思ったりもします ww (2009.09.18 14:57:13)
はじめまして こんばんは。
>演技が巧いのは、もちろんなんですけど、 >そもそもYOUさんが、 >実生活で若い男子を捕まえ続けれる真相は、 >まさに、その感じゆえだと思ったりもします ww ----- 何となく、地で行けているような役だったのでしょうね。 その雰囲気が彼女の持ち味だったりもします。 (2009.09.18 21:03:00) |