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『クラッシュ』 (2004) CRASH
上映時間 112 分 製作国 アメリカ ジャンル ドラマ/犯罪
ストーリー: クリスマスを間近に控えたロサンジェルス。黒人刑事グラハムとその同僚でヒスパニックの恋人リア。銃砲店で不当な差別に憤慨するペルシャ人の雑貨店経営者ファハド。白人に敵意を抱く黒人青年アンソニーとピーター。地方検事のリックとその妻ジーン。差別主義者の白人警官ライアンと同僚のハンセン。裕福な黒人夫婦キャメロンとクリスティン。やがて彼らの人生は思いがけない形で交錯、大きく狂い始める…。 感想: 登場人物はとにかく多いので群像劇で陥りやすい混乱に、見舞われるかもしれません。わたしは、ドン・チードルのエピソード、白人刑事による黒人刑事の射殺事件のいきさつの理解がいまいち。さらに、チードルは自身の行方不明の弟の情報提示により、地方検事と取引をしたようですが、その取引内容もわからなかった~。でも、「シリアナ」のような難解さはありません。「ミュンヘン」ほど陰惨でもないです。 人の中にある「白と黒」「善と悪」どちらも共存していることを人種差別のテーマの中で見せてくれました。そこが見ごたえありました。完全な善人もいなければ、徹底した悪人もいません。どの人物も、一面ではない。それぞれが、前半での顔と、後半にみせる顔が違いました。 けれども、おもったより悲劇的な死はありません。死者は、1名。 間一髪で助かった、、というケースが2? とことん救いが無いのではなく、 ”それでも、どうにかなるさ”的な楽観主義なハギス監督の”味”なんでしょう。黒もあり白でもあるグレイ、とは日本的なつくりの映画ではないですか。<死>をなるべく描かないようなつくりで、衝撃度は薄いかもしれないけど、また 見たいと思った映画でした。はなしがわからなかったってものもあるけど~。 ●<偽善>と向き合う 自分はそんなに悪い人間じゃない、、と普段思って暮らしているものですが、誰もがそれを振りかえさせられる。登場人物たちは、皆、普通のわたしたちとおなじ人たちなんです。でも、じゃあ罪悪感に押しつぶされそうになる、、という重さは感じません。そんなに後味悪くない。 日本に暮らす私たちには、ここで描かれる日常茶飯事的差別は、どうしたって理解の範囲以上だからかもしれません。日本にも外国人労働者が多いし、外国人による凶悪事件などには神経を尖らせてます。差別意識はもってます。さらに、そうしたことはあんまり話題にもしません。外国人労働者って怖いね嫌だね、、なんて声高にいえることではありません。けれどそうした気持ちは確かにあります。「クラッシュ」ではそうした、普段目をそむけ、そこにそんな問題は無いフリをしていることを明るいところに引きずり出した。アカデミー賞という場所に。 ●「ボーリング・フォー・コロンバイン>」でのアメリカの恐怖心 カナダ人の監督にはアメリカの、政治的なあるいはマスメディア操作による人々の恐怖心を利用した購買意欲を掻き立てたり、操るやり方が解せないようです。それはマイケル・ムーア監督の「ボーリング・フォー・コロンバイン>」でも言ってました。アメリカはどこかヒステリック。恐怖心を掻き立てられている。人の見方も、悪い奴は悪い奴。と一面的なことが多いらしい。いろんな背景のある人種のさまざまな街では、それではさぞかし混乱するでしょう。 同時テロ事件もあり、こうした意識は「ボーリング~」の頃とどう変わってるのでしょう 監督はインディ映画テイストの人間観察・描写がやりたかったそう。何年か前に黒人の若者ふたりに銃を突きつけられて強盗にあったことがあり、それが元になったおはなし。 その時、怪我がなくて良かったデスね。その時、重症を負わされていても、同じような映画になったんですかね。 資金やキャストの調達には、ドン・チードルが全面的に協力したそうですね。ドン・チードルの役柄は、一番複雑だったかも。彼は、いろんなことを見すぎて、何事からも距離を置いているという、、というむずかしそ~な役でした。 いろんまエピソードがありましたが、テレンス・ハワード演じるTVプロデューサーとその妻の、セクハラ警官の取り調べから帰ってからの、夫婦の会話は、「あなたは黙って見ていただけだった、謝罪までして」っという妻の駄弁にはうんざり。また、サンドラ・ブロックの鍵屋への暴言もがっかり。女ってこうなんだよ、っと言われてる気分。でも、セクハラとか、銃を突きつけられるショックはされたことのない自分にとやかく言う権利はないのかも。やっぱりヒテリックに手近な夫に当り散らすしかない。
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最終更新日
2006年03月20日 15時50分58秒
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