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ある内科医の独り言

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2004.12.03
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昨今の医療情勢は厳しい。ニュースを見ても決して明るいニュースばかりではない。むしろ暗いニュースの方が多い。同僚や上司の先生方もネットのニュースなんかを検索するときは殆ど暗い話題ばかりだ。医療ミスや医事訴訟、経営問題……数え上げればきりがないほどにニュースがあふれている。

たとえば医療過誤事故と医療ミスは実際には違うものなのだが大半の人は同一視している。正しく伝えられていないメディアの表現もあるのだろうが、医療人を取り巻く環境はこうした表現一つとってみても厳しいものだということだ。

どうしてこうなったかを考えてみる。しかし結局いくら考えてみても答えは出てこない。患者さんのクレームも一理あるだろう、常識のない医者のせいでもあるだろう、医者をたたけば金になると思っている輩のせいでもあるだろう……。そうした様々な原因が複雑に絡み合って今の状況を作り上げていることは確かなようだ。病気でたとえるなら多因子病の代表格である糖尿病かもしれない。いずれにせよどれか一つだけが改善されればいいというものではない。かといって全体の改善を待つわけにはいかない。こうしている間にも病に倒れ、風前の灯火となった患者さんたちの声が聞こえてくるようだ。

結局、自分自身がよりよい医療を提供するという当たり前の信条を持ち、何とかしてあげたいと思うその心構えを失わなければ、きっと活路が見いだせるのだと思っている。謙虚な気持ちを持つ、そうした背景が今失われつつあるのかも知れない。医者に謙虚な姿勢が求められることは当然だが、できることなら患者さんやメディアに対してもお願いしたいのだ。単に医療問題だけにとどまらず、こうした背景をどうとらえ、どう良くしていくのか、考え続けるぐらいしか僕にはできないのだから。

祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の世の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ


(平家物語-祇園精舎)






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最終更新日  2004.12.03 23:59:34
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