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ある内科医の独り言

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2005.05.24
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田舎の公立病院でも心肺停止の患者さんは結構やってくる。たいていは救急車での来院だが、蘇生する率はかなり低い。以前はDOA(Dead on Arrival【来院時死亡】)といわれた病態だったが、近年は蘇生率も上昇しCPAOA(Cardio Pulmonary Arrest on Arrival【来院時心肺停止状態】)と呼ぶようになった。ウチの蘇生率ではDOAのほうが似合っているのかもしれないが……。

原疾患は様々だが、やはり心血管系が多くしかも高齢者が格段に多い。ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)やBLS(Basic Life Support)が近年各地で講習されているにもかかわらず、なかなか蘇生率の向上をみない。理由はいろいろあるだろうが、そのうちの一つは地理的条件だろうと思っている。救急車が到着するまで15分なんてこともザラだからだ。15分もあれば最低限必要な蘇生術は行えるだろう。かといって山奥に住む2人暮らしの老夫婦宅へ救急車が3分で到着なんてことはあり得ない。もちろん、こうした老夫婦がBLSなどを体得しているとも思えない。物理的にどうしようもない壁はこんな田舎では日常茶飯事なのだ。

時々テレビなんかでやっている「救命病棟24時!」みたいな特番で繰り広げられるERの日常とウチのERとの日常にはいったいどれくらいの温度差があるのだろう。救命率を上げるのは簡単なことではない。個人はもちろんのこと地域全体で、社会全体で考えていかねばならないからだ。そういった意味では都会の方たちは恵まれているのかもしれない。

急なCPAに対していったい何ができるのかを、個人でも考えておいた方がいいだろう。消防署や各地のグループが開催する救命講習にでておかれることをおすすめしておきたい。適切な初動こそが救命率を上げる最善の方法なのだから。





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最終更新日  2005.05.24 13:21:53
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