|
カテゴリ:しつけ
犬の祖先はオオカミでありまして、犬とオオカミを同じように語る方もいらっしゃいますが、犬って、もっと人間よりに進化した動物であって、野生のオオカミの生態をそのまま犬に乗っけるのは、私、嫌いであります。
かといって、犬にリーダーシップが必要ない!という方(トレーナー)もいらっしゃることは事実です。中には、散歩も関係ない!というトレーナーさんもいらっしゃいます。 私はといいますと、犬には縦社会が必要ですし、散歩は人間と犬とが共同でやれる唯一の作業だと考えます。 介護犬だって、狩猟犬だって、警察犬だって、人間とチーム一体になるには、一緒に歩くことが基本です。 敵のいない家庭の安全が確保されてる中で、リーダーシップをとることはなかなか難しいですが、外敵やストレスの多い外での環境でいかにしてリーダー権を握るか、これは犬にとっても理解しやすい状況なんですね。 先週、ブログに来られるマミさんとこのシェパードとチャウのミックス犬のトレーニングをいたしました。 強烈なアグレッションがある犬で、飼い主さんの力では、押さえることもできないくらい凄い兇変ぶりでした。 家の中でのこの犬は、優等生です。100%のコマンドにこたえることができ、ほぼ完璧な犬なんです。 が、外で一旦犬を見かけると、襲いかかろうという行動、吠えかかる、飼い主を全く無視した行動になります。飼い主が地面に倒れ込み、それでも引きずり、犬に攻激をしかける犬と化します。 私が見た見解では、この犬は恐怖で暴れております。近づいてくる犬が恐怖で、「こっちへ来るな!」と吠え掛かるだけのレベルではなく、「近づくのなら殺す!」のレベルでありました。 実際に犬に襲い掛かったこともあるそうですが・・・・ マミさんにはリーダーシップの話をしました。 家の中で優等生だということは、飼い主が強制的に何かに服従させるという状況はないんですね。 呼べば来るし、待てといわれりゃ待つし、座れといわれれば座るし・・・・100%いう事を聞くんですもん。 でも、家の中ではストレスも敵もいない環境です。犬が飼い主のいう事を聞くのは、家の中でリーダーだと主張する必要がないからです。安全の確保された家の中で、犬がリーダー権を飼い主に渡すことはどーってことないんです。 成績さえよければ、親が喜ぶと思ってる子供と一緒です。 中には、家の中でも飼い主に唸ったり、反抗、抵抗したりする犬もおりますが、こういう場合も、コマンドを100%いう事聞く犬なのに。。。。。と、飼い主さんが不思議に思われますね。 ですから、なんども言いますように、座れ、待て、フセ、来い、のコマンドができる、いう事を聞く=リーダーシップをとれている・・・・わけではないんです。 服従訓練とよく言われますが、お菓子を見せて座れとコマンドをかけて犬が座る・・・これは服従ではありません。または、犬が何かを飼い主に求めてるときに勝手に座る・・・・これも服従ではありません。 座ることに抵抗もなく座るのであれば、それは犬が好きでやってることです。もちろん、コマンドを100%いう事聞くことは素晴らしいことです。褒められたい、食べ物が欲しい・・・でいう事を聞くわけですから、とってもいい子です。 でも、私が重視するのは、犬がやりたくない、座りたくない、戻りたくない、という環境で、いかにしていう事を聞かせるか・・・・これが私のいう服従なんです。 子供だって、学校や遊園地なんか、行きたいとこがあれば、問題なく車にのり、いう事も素直に聞きます。 では、歯医者へ連れて行く、病院へ連れて行く場合、子供は好きで行くわけではありません。親の強制です。連れて行かなければ虫歯が悪化する・・・熱が下がらない・・・という事を避けるために、親がなんとしても連れて行くわけですよね。子供の場合、それこそ、お菓子やおもちゃで釣ったり、話をしてきちんと子供に説明することで、嫌がる子でも車に乗せることができます。 では、犬は・・・・? 私はクラスで、問題のある犬には、服従の意味をコンコンと話しします。 犬が座りたくない場所、濡れた地面やゆれる板の上での座れ!、フセをしたくない場所、例えば、コンクリートの上や、犬がたくさんいる中でのフセ!、しばらく一人ぼっちにさせる待て!など、ディストラクションを多いに使ってトレーニングをします。 犬によっては、20%や、30%のリーダーシップを飼い主が取れていれば、問題なく生活できるんです。うちの実家で飼っていたマルチーズがそうでした。 食べる前、餌の前では完璧に言うことを聞きました。この状況では、うちの母がリーダシップを取ってますね。 ですが、一旦外へ出ると、まったく母を無視して、いう事なんか聞きません。 寝る時間になり、マルチーズを自分のベットから降ろそうとする母には、猛烈に攻激してくる犬でした。 この状況は母が100%のリーダーシップをとってないんです。餌は母のいう事を聞かなければもらえない・・・と、犬が理解しているので、そのときだけは、母にリーダーシップを放棄してるんですよね。 つまり、私の母は10%のリーダーシップで、生活をしていたわけです。 母は寝てる犬を触ろうとすると噛み付かれるので、犬が寝てるときは餌で釣って起したり、ひどい時には、ベットを占領されて、餌でも起すことが出来ない場合、ソファーで母が寝てたんですもん。 でも、母にとっては、可愛い犬が寝てるんで、起すのは可愛そう・・・という気持ちがあり、80%のリーダーシップを犬に握られていても、問題なく生活していたわけです。 これはこれでいいんです。何も強制訓練しなくたって・・・・うちの母は、「うちの犬はこんなんです!」で、生活できてました。 話は戻ります・・が、まみさんのシェパードミックスの場合、散歩が出来ない状況で、なんとかしたい!という考えをお持ちです。だったら、リーダーシップを100%取り返すことが先決だとお話をしました。 歩き方を見せてもらいましたが、犬はマミさんの横を着いてきちんと歩いている優等生。・・・ですが、見落としてることがありました。 犬の耳、尻尾、ボディーラングエッジです。まみさんの横を歩いていても、犬の意識はとんでもなく先を見ていました。 どっかに犬がいないか、探してるモードで歩いているんですよ。 モードが入ってる状態は、ガスコンロでいうところの種火がついてる状態です。 その状態で、犬とであったりすると、点火してしまうんですね。一旦燃え上がる火は、なかなか鎮火するのに時間が掛かります。種火のうちに消しておかないと、火が回ってからでは消火ができないんです。 散歩の仕方からまずトレーニングをやり直しして、家の中でのリーダーシップの見直しも、今書いたようなことを説明しました。 それから、少し、強制的にダウンをさせることをやってもらいまして、とにかく100%のリーダー権を受け渡ししてもらいましょう!ということで、今も訓練を続けていらっしゃいます。 この犬がひとつだけ飼い主に抵抗していたのは、ツメきりだったそうです。 今では、問題なくできるようになったと、メールを先日頂きました。 犬恐怖症のこの犬には、もっと犬と接触させることが必要ですけど、今の状態で、犬の多い場所を散歩させることは、褒める状況を作れません。パニックになる犬を押さえ込むことだけの状況が増えてしまい、余計にトラウマを大きくしてしまいます。 褒める状況、犬をみてやり過ごすことのできる距離から初めて、何がいい行動で、何がダメな行動なのかをはっきりと犬に分かるように教えてあげないことには、学習できません。 というようなトレーニングを引き続きやって頂いてます。 ちなみにうちのマックスとレオを使いました。最初はマックスにもレオにも襲い掛かってきましたが、うちの犬はなれている(訓練で使ってるんで)、平気のへっちゃらでして、マックスもレオも「お前なんか、眼中にない!」という姿勢だったもんで、それを理解すると、まみさんの犬は一緒に並んで散歩ができるようになりました。 っと、今回長い文章になりましたが、うちの母のように問題ではない!と思う方もいらっしゃいますし、マミさんのように、こりゃあ、問題だわ!という方もいらっしゃいます。 状況を変えたい!という方には、リーダーシップの見直しを提案させて頂いてます。 追伸:マックスの左目に、腫瘍ができてしまいました。眼球に傷がついて、ちょっと盛り上がってきたので、西山先生のとこに連れて行きました。 月曜に、目のスペシャリストへ連れていき、手術(レーザーで取り除く?)することになりました。 けっこう、私がへこんでおります・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008.02.28 02:26:54
[しつけ] カテゴリの最新記事
|
|