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☆ワクワク和太鼓指導実践記☆

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2010年08月08日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
皆さん、大変お疲れ様でした。

皆さんの参加された郷土芸能部門は、
さらに「伝承芸能」と「和太鼓」の二つの部門に分かれて審査するのですが、
先ほど伝承芸能の先生からコメントがあったように、
伝承芸能の中にも、いくつかのカテゴリーが存在します。

これと同じく、和太鼓も数種類の分野に分かれており、
まずは、

「伝承芸能系」

地元に伝わる和太鼓芸能をそのまま、あるいは原型にほぼ近い形で発表されるもの。


「伝承芸能編曲系」

地元に伝わるお囃子を取り入れて編曲された、いわば創作と伝承のハーフの形。

伝承芸能の一部をモチーフとして使用したり、地元をイメージして作られた曲も
多くありましたが、それらは次のカテゴリーとします。


「創作和太鼓系」

曲のほとんどが新しい創作によるもの。
ただし、ここでさらに

1.和太鼓ダンス系

2.和太鼓音楽系

に分かれることになるのが、最近の傾向だとワタシは思います。

和太鼓ダンスは、何より「振りつけ」を重視し、そのさまはまるで
ダンスやミュージカルを見ているような錯覚を起こさせます。
楽器の配置の仕方、振り付け、打法はどの学校もきわめて似通っています。

それに対して位置づけられる和太鼓音楽は、振りよりも「音楽」を重視し、
太鼓の音そのものや、ノリ、構成に力を注いでいることが特徴でしょう。

これは、昨今各地で行われている各団体主催の「コンクール」や「コンテスト」の
影響が大きいと言わざるを得ません。

そのコンクールでの「審査基準」が各団体の目指す

「演奏目標」

となり、全国的に多くの団体がその基準を目指した演奏を目標にすることになります。


これだけの違った分野から代表校を選び出すことは、まさに至難の業であります。

審査結果に一喜一憂することなく、
それぞれの目指す演奏を追い求めてほしいと思います。



さて、具体的な講評ですが、

「ここを良くしていくとさらに良くなりますよ」

といったところを数点あげさせていただきます。


一つ目。

笛などのメロディー楽器を入れるところが多く見受けられます。

マイクを使用した際の音量の問題は、各学校10分のリハーサルの中で、
音響担当のスタッフも舞台袖での操作、
全ての学校の音量を完璧に調節するには無理があります。
マイク音量が強すぎる学校が多かったのには、耳が痛かったですが、
これは次回への事務局側の反省とさせていただきます。

しかし、メロディー楽器の「音程」に関しては奏者、指導者側の問題でしょう。

太鼓のリズムがばっちり決まっても、
肝心のメロディー楽器が上手に演奏されなくてはバランスがとれません。

笛などの楽器は審査には無関係のようなことを言う他の審査員もいましたが、
和太鼓部門は太鼓だけやってれば良いなんてものではありません。
是非とも笛・三味線・尺八・歌など、鳴り物のレベルの底上げを図り、
伝承芸能部門に肩を並べようではありませんか。

そんな中でも、今回素晴らしい笛を披露してくれた学校が
以前よりも多くなってきたことは特筆に価するでしょう。



二つ目。

地打ちのノリの問題。

地打ちは非常に大事なパートです。
ところが、振り付けに気を取られている間に速さがゆるんだり、
声を揃って出したがゆえに、リズムが崩れたりする学校が数多く見受けられました。
振りを重視していても、振りを合わせる肝心の「音」が狂ってはいけません。


三つ目。

笑顔。

「自然な笑顔」なんて審査基準はありませんから、作り笑顔だからといって
得点が低くなることはありません。
しかし、作り笑顔だから、気持ちが本物ではないからこそ、演奏が作り物になってしまう。
出している音と感じている心は一体です。
今、その場面で一番適している心の動きから、
その時にふさわしい表情が自然と出てくるのではないでしょうか?


四つ目。

右左のバランス。

全国大会でこんなことを指摘するのもどうかと思いますが、
あまりにも左手への意識が低すぎます。
ドドドド」と聞こえたいリズムが、「コ」

まずは、左右のバランスを整えましょう。


五つ目。

楽器のチューニング。

長胴のチューニングはともかく、自分達で締め直しが出来るはずの
桶胴太鼓や締太鼓のチューニングが低すぎます。

「どの程度の高さが適しているか?」

を試行錯誤しながら、最適なチューニングを目指してください。


六つ目。

不必要な振り。

振りを付けることはビジュアル的に大変効果を上げますが、
それが、不自然さを感じさせてはいけません。
小さい音を出しているのに、体が左右に大きく動く。
スタンドマイクを使用しているのに、曲に関係なく笛の体が前後に激しく動く。
まるで軍隊を思わせるような無理な振り付け。
軍楽隊が発祥のマーチングの方がよほど自然です。



さて、いくつかのポイントを申し上げてきましたが、
今回、覆面審査員のワタシが見た中で印象的な学校を数校挙げると・・


愛知県の日本福祉大学付属高校の「絆」

この曲の前半部分の自然な盛り上がりは、
まさに

「息を呑む」

という言葉に値する素晴らしい瞬間を目の当たりにした気分です。


福岡県の久留米筑水高校の「連」

メインプレイヤーであろう、中央の演者の笛の音色と音楽、
その後の全員によるよく脱力された打ち込みが印象に残りました。


東京の明星学園高校の「天と地」

地打ちのノリと全体のグルーブ感が大変心地よく、
一人ひとりの表情もまた印象的で、「やられた~」といった感で観ました。
入賞おめでとうございます。


岐阜県の岐阜総合高校の「信」

積極的な毎年の国際コンテスト参加によって得た技術力と音楽性は
今回参加の中で、ぴか一の仕上がりだったと思います。
演奏が終了しても頭の中でリズムが繰り返していました。



以上ワタシが観た中で印象的ないくつかの学校を取り上げましたが、

「もう一度観てみたい」


「この学校の他の曲も聴きたい」


そう思わせる学校はどこも

「個性的」

であり、生徒達が自由に、そして主体的に表現しています。


以上、覆面審査員による和太鼓部門講評でした。





















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最終更新日  2010年08月08日 11時26分34秒



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