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テーマ:人生の学び(1729)
カテゴリ:緩和ケア
【新品】いのちのおはなし 日野原重明/文 村上康成/絵 肺癌で入院中の80代女性について。 昨年11月までは夫と二人、何にも不自由すること無く暮らしていた。 しかし12月に入って食欲が落ち、少し歩くだけで息切れをするようになった。中旬には咳や熱が出るようになり、発熱外来を受診したところコロナと診断された。SpO2が低かったため入院することとなり、胸部CT検査が施行された。 コロナによる肺炎像は軽症だったが、左の肺、心臓の裏あたりに腫瘍があり、肺門部や縦隔のリンパ節が腫大しており、転移しているものと評価された。 咳や熱が収まるまで1ヶ月を要した。その間はコロナ病床に隔離されていたために、すっかり足腰が弱ってしまい、痩せこけてしまった。 一般病棟に移り、気管支鏡検査が行われ肺扁平上皮がんと診断された。それで精神的にも更に弱ってしまい、食欲も無くなり高カロリー輸液が始まった。 年齢的、体力的、気力的に治療は困難であり余命1ヶ月、在宅かホスピスかどちらかです、と宣告され、結局ホスピスに転院となった。 しかしホスピスに来てホッとしたのか、まずご飯を食べられるようになり、リハビリを受けた成果かトイレにも何とか自力で行けるようにまで回復した。自分でもコロナ感染前に戻った感じだと話した。 そして、今日、退院前のカンファレンス。 ホスピスに来て良かった。自分の足で動くこと、口から食べられること、家族の顔がみられること、当たり前のことが一度出来なくなって、また出来るようになった。それらがこんなにも嬉しいことだとわかった。 癌になったのは、煙草を吸っていた以上、仕方がない。でも、残された時間を家族のために一生懸命生きようと思う、と話した。 80歳まで一生懸命生きてきたのでは?と問うてみた。そしたら、こう答えられた。 「なんとなく生きていたら80を超えていた。これからはちゃんと生きようと思う。そうやないと、助けてくれた先生や、助かったことを喜んでくれた家族に申し訳ない。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.02.23 23:19:07
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