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テーマ:映画レビュー(890)
カテゴリ:映画レビュー
劇場版鋼の錬金術師。TVシリーズの続きと言う事で、予備知識の無いまま見ていたら意味わからん映画だったと思う。
そもそも、主人公エド(エドワード・エルリック:朴ろ美)のおかれた状況と言うか、世界設定からして分らない。 エドの居た世界は科学ではなく錬金術が発展した世界(科学が無いわけではない)で、今はこちらの世界(科学が発展した世界)に居る。なぜこっちの世界に居るかと言えば、また長い話で、つまりTVシリーズ51話分を説明しなくてはならないのだから困ったもんだ。 エドとその弟アル(アルフォンス・エルリック:釘宮理恵)は、幼いころに亡くなった母を忘れられず、錬金術最大の禁忌である「人体の練成」を行ってしまう。しかし、練成は失敗し、エドは左足を。アルは体全てを失ってしまった。エドは自分の右腕を対価に、何とかアルの魂だけを鎧に繋ぎとめる事に成功する。 二人は失った体を取り戻すために、伝説の「賢者の石」を求める長い旅に出る事になった。失った手足を「オートメイル」と呼ばれる機械に代えて。 とまぁここまでがTVの冒頭。 そして、旅を続けるうちに、人体練成に失敗した時に生まれる「人造人間(ホムンクルス)」の存在が明らかになり、複雑な人間模様とともに賢者の石をめぐる壮大なストーリーが紡がれる。 TVシリーズの最後には、アルの体を取り戻すために「扉」(何か力の源とこちらの世界を繋ぐもの)の向こう側に行ってしまったエドと、体は戻ったものの、鎧に魂を定着していた期間の記憶を失ったアルと言う、何とも中途半端にハッピーエンド(エドは死ななかったし、アルの体は戻ったけど…)な感じで、エヴァの最終話を見たときのような感覚に陥る。 そこで、劇場版鋼の錬金術師~シャンバラを征くもの~ですよ。 TVシリーズの最後から2年の年月が経過している。体を取り戻したアルの姿を見てチョット泣きそうになった。おじさん涙もろいから。 髪型も服装もすっかりエドですがな。 練成陣無しで練成する姿もすっかりエド。後ろから見たら。 アルはアルで兄を連れ戻す術を元の世界で探している。 一方エドの方は、ナチスが台頭をはじめ、戦争の緊張高まるドイツはミュンヘンで、元の世界に戻る術を模索している。世の中に紹介されたばかりのロケット技術の研究をしていたり(どうやら、宇宙の彼方に行けば戻れるかもと思ったらしい)。 そんな中、オカルト集団ナチスらしい「理想郷(シャンバラ)」を求める集団が色々やり始めて、エドも否応無しに巻き込まれていく訳だ。 話自体はスゲー良く出来てる。子供向けかと言われればちょっとアレだが。 錬金術が、最後の決戦以外ほとんど出てこないのもまぁ許す。 主題がどこにあるのか良く分らんが、兄弟愛や夢を追うものの純真さや集団心理に飲み込まれた人間の危うさ、怖さなど、そこそこ良く描けてる。 ただ、如何せんCGがなぁ… 鎧の兵士や飛行機、ロケット等の動きが全てCGなんだけど、どうも違和感がある。CGにセル画をおっかぶせた感じの作りで、チョット前のCGアニメのようにテカテカだったりしないし、上手く作ってあるんだけど、それでも違和感ありまくり。鎧の兵士(扉を抜ける際に中の人間がすでに死亡している)の動きについては、百歩譲って「わざと」ぎこちない動きを表現したと考えれば納得もいくが、ロケットは… 何でもかんでもCGにすりゃ良いってもんでも無いだろう。 で、最後にエドも元の世界に戻れたし、錬金術での対決があってすっきりしたし、良い感じで終わった~と思ったのに…どんでん返しがあってまたちょっと楽しめた。 そこでまたおじさんは泣かされそうになった訳だが。 アルはどうしてそんなに可愛いんだよ、まったく。うちの子供につめの垢をくれ。煎じて飲ませるから。 ちょっと長くなったが、TVシリーズのもやもやも無くなるし、キャラクターたちその後も見れるし、ハガレン好きにはたまらん作品だろう。と言うか、TVの本当の最終回だろう。エヴァだな。 この映画まで全部含めてTVシリーズ完結。面白かった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年02月07日 20時09分57秒
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