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毒多ぁ亀山の小児科日誌

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2007年08月25日
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カテゴリ:食物アレルギー
「加熱した卵は食べてもいいって」
「ダメです」
「オボムコイドが陰性ですけど」
「卵食べたいって言うまでやらないでください」
 生後3週間からアトピー性皮膚炎の生後7ヵ月の女の子(IgE:74、卵白3、卵黄3、牛乳2、オボムコイド0)。
 生後5ヵ月のときに近くの小児科で血液検査をしたら(IgE:26、卵白3、卵黄2)オボムコイドが陰性だったので、加熱した卵は食べても良いと言われたそうです。とんでもない話です。
 生後6ヵ月以前の血液検査はゼロの確認です。生後5ヵ月で少しでも陽性ならば、数値が上昇するのを食い止める必要があります。
 卵白には、オボアルブミン(54%)、オボトランスフェリン(12%)、オボムコイド(11%)、G2グロブリン(4.0%)、G3グロブリン(4.0%)、オボムチン(3.5%)、リゾチーム(3.4%)、オボインヒビター(1.5%)、オボグリコプロテイン(1.0%)、オボフラボプロテイン(0.8%)、オボマクログロブリン(0.5%)、アビジン(0.05%)、シスチン(0.05%)、などの蛋白成分が含まれますが、血液検査の卵白(+3)というのは、これらをトータルしたものに対する反応です。この中でも最も抗原性の強いのがオボムコイド(耐熱性卵蛋白)です。
 オボムコイド以外の蛋白は熱で抗原性が弱まりますが、オボムコイドは加熱しても抗原が弱まりません。したがって、オボムコイドが陽性ならば加熱してもダメといえますが、オボムコイドが陰性ならば食べて大丈夫という保障はありません(検査でゼロでも食べて出る児・隠れ型はたくさんいる)。
 実際に2ヵ月経って当科で検査したら数値は上昇しておりました(IgE24→74、卵白6.40→15.7、卵黄0.98→4.46、牛乳≦0.34→3.43)。今後もどんどん上昇する可能性があります。
 母にはインタール内服のうえ除去食継続(プラスのものは気合入れて努力、ゼロのものはほどほど努力)をしていただくことにしました(卵アレルギーの場合には魚卵と鶏肉も除去しないと数値が下がりにくい:鳥つながりと卵つながり)。
 次回10ヵ月過ぎて皮膚症状が改善して鶏肉ゼロを確認したら、鶏のスープ→鶏肉あたりから解除するかもしれませんが、過熱してても卵を解除するのは、本人が「卵食べたい」って言うまでダメです。
 えっ?、なんでそんなに厳重にするかって?。保育園で説明会をすると「赤ん坊のときもっと除去しておけばよかった」。乳児に説明会をすると「妊娠中気をつければ良かった」みんなそう言います。どうせ言うことを聞くのは2才までです。2才過ぎたら除去食は困難です。





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最終更新日  2007年09月06日 20時00分21秒
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