Geoengneeringはうまくいくか?
真実に「後ろ向き」ビジネス「前向き」 温暖化防止も米国流 巨大宇宙鏡で太陽光反射!? 宇宙空間に浮かべた鏡で太陽光線を反射するという温暖化対策の研究を今春に出される国連の報告書に盛り込むよう、米政府が提案する。英紙ガーディアンが 伝えたもので、試算では太陽光線の1%も反射すれば産業革命以来出してきた温室効果ガスの効果を相殺するという。排出削減を柱にした京都議定書とは反対 の、いかにも米国らしいプラス思考?人間の排出する二酸化炭素をはじめとする温暖化効果ガスが引き起こすと考えられる地球温暖化に対して、温暖化ガスの削減が無理とみて、太陽の光をさえぎったりして、温暖化をくいとめようとする考え方がある。それをGeoengineeringと呼ぶ。宇宙鏡を作って太陽光を反射したり、成層圏に「ほこり」をまいて大気を曇らせたりというアイディアが提唱されている。参考: Big fixes for climate? (UCAR Quarterly, 英語)このようなやり方はうまくいくのだろうか?私は難しいと思う。第一に、太陽光をさえぎるというやりかたは、あまりにも地球の平均気温ということばかりに目をむけて、それを下げることしか考えていないのではないか。実際には地球の気候の地域分布は微妙なバランスによって成り立っており、おおっざっぱなやり方でそれを制御できるほど、われわれは地球のことを知っているとは思えない。l第二に、二酸化炭素の増加の問題は地球の温度を上げるだけではない。最近ニュースになっているが、「海の酸性化」という問題がある。海の酸性化については、 「明日への道しるべ@ジネット別館」が詳しい。 以上のことから、Geoengineeringはアイディアとしては面白く、研究としてはたのしいだろうが、地球温暖化対策の本筋ではないだろう。