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環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

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2012年10月03日
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テーマ:ニュース(99511)
カテゴリ:社会


 さて、また元に戻って計算だ。預託実効線量の計算式は一般に以下で示される。

預託実効線量 = 放射能濃度(Bq/kg) × 実効線量係数(Sv/Bq) × 摂取量(kg/日) × 摂取日数(日) × 市場希釈係数 × 調理等

 今回の場合「摂取日数」は1日、また「市場希釈係数」や「調理等」は放射性物質が低減する計算要素なので、安全側に配慮する観点から今回は無視することにして、先の計算式に数値を代入すると以下のようになる。なお、Cs-137の成人における実効線量係数つまり摂取した放射線量1Bqあたりの被曝線量値(mSv=ミリシーベルト)は1.3×10の-5乗mSv/Bq、そしてCs-134が1.9×10の-5乗mSv/Bq・・と、あっさり書いたが、10のマイナス5乗の意味がわかるかなあ。簡単にいえば100000(10万)分の1の意味。書き直せばCs-137の実効線量係数は1.3の100000分の1で0.000013mSv/Bq、Cs-134は1.9の100000分の1で0.000019mSv/Bqということである。

 ん~、ゼロが並んでややこしいが、アボガドロ定数(6.02×10の23乗)ほどではないし、だいいちこのブログの書式では10の右肩に「べき数」(乗の数)がうまく乗らないし、今回はこっちを使おうか。 あ、ここで採用した実効線量係数は経口摂取での数値、他の線種についてはこちらなどを参照。 ということでさあ、いよいよ計算だあ。(^o^)

 コジローが召し上がった昨日のマグロ(ヨコワ)カルパッチョの預託実効線量=Cs-137の放射能濃度(12Bq/kg)×実効線量係数(0.000013Sv/Bq)×摂取量(0.03kg)=0.00000468mSvとCs-134の放射能濃度(8Bq/kg)×実効線量係数(0.000019Sv/Bq)×摂取量(0.03kg)=0.00000456mSvの合計で0.00000924mSv(=9.24×10の-6乗mSv)ということになる。

 計算、これで合ってると思うのだけれど、すでに述べたようにこれは、安全側に配慮して、恐らくは放射線量を実態より相当大きく見積もった数値である。これ以上の被曝線量は考えられないが、さて、問題はこれがいったいどの程度の内部被曝なのか。

121003.png

 ひとつの参照対象として「自然放射線源からの年間実効線量」(上図)がある、これによれば自然放射線源からの年間被曝量は2.4mSv、うち吸入と経口摂取による内部被曝は合計1.55mSvになる。これを365日で割ると一日あたり0.0042mSv、コジローが昨日食べたカルパッチョの最大に見積もった内部被曝線量0.00000924mSvはこの0.22%になる。それだけ自然状態に追加して被曝したことは間違いない。

 関連していえば、経口摂取する自然放射線核種の主役はカリウム40だが、150gのバナナ1本を食べればそれに含まれるカリウム40で0.0001mSv内部被曝することがわかっている。先のカルパッチョ線量をバナナ換算すれば16.2g、つまりバナナ1本のおよそ10分の1を余分に食べるのと等しい被曝程度ということだ。これを「怖い」と感じるか、それとも「怖くない」と感じるかは、まあ個人の感性の問題であって理屈で説得できるものではないし説得する気もないが、コジローとしてはまったく意に介する必要はないと思う。

 さらに参照対象としてタバコの話題。最近、タバコに含まれる放射性物質による内部被曝が再び注目を集めており、米国政府環境保護庁が規制に乗り出す動きを見せている。ここで焦点となっている放射性核種は鉛210とその崩壊核種でもあるポロニウム210だ。

 ポロニウムはキュリー夫妻が存在を予言して母国ポーランドにちなむ名を付けた元素で、ウランの100億倍の猛烈な比放射能(単位重量あたりの放射能の強さ)を持ち、その97%はタバコからフィルターを通過して気管支分岐部に吸着し、重戦車の突進にも例えられる破壊力のα線を出すことがわかっている。すでに30年前には日本の国会でもこの被曝の危険性についての質疑がなされているが対策は一切とられていない。しかし、日本の厚生労働省もようやく(財務省の抵抗を押し切って?)この8月、喫煙によるポロニウム暴露の被曝量について、毎日30本の喫煙習慣の人で年間80mSvに達するとの研究報告があることを正式に認めて報告した。

 ということで、また計算だ。仮に先の研究結果が正しいとすると、年間80mSvの被曝量を30本×365日=10950本でわり算して得た0.0073mSvが、喫煙一本あたりの内部被曝線量という計算になる。これは、コジローが食したカルパッチョの実に790倍(0.0073÷0.00000924)の線量に相当する。つまり、このカルパッチョのマグロ部分のみでも一気に23.7kg(30g×790倍)、まあ、マグロばかり選って食べるような下品な真似をしたらヒンシュクを買うこと確実なので、タマネギなども適宜交えつつ少なくとも40kg位は食べないと、タバコ一本に含まれるポロニウムという単一核種の内部被曝線量にも届かない。

  カルパッチョがどうってことないのか、それともタバコの内部被曝がかくも凄まじいのかの評価は別として、今判っている科学的根拠に基づく計算では両者の被曝の程度には、このくらいの差があることになる。

 

                               →4に続く

 

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最終更新日  2012年10月04日 01時12分22秒
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