|
テーマ:日々自然観察(9873)
カテゴリ:釣りとアウトドア
コロニーは立ち入り禁止!
この海岸はイシモチ釣りの名場所、土、日にはたくさんの竿が並ぶ。 その砂浜の一番端のほうがひときわ広くなっていて、打ち上げられたゴミや流木、竹などが散乱している。 そこが、この時期アジサシの繁殖場所、コロニーになっている。 アジサシの巣はとても巣とは呼べないしろもので、いわば砂浜そのまま、穴を掘るわけでもなく、枝を集めたりもしない。 砂の上にウズラの卵大でコロコロ三つほど、まことに無防備な状態で産卵し抱卵する。 釣り人や散歩中のヒトが踏みつけないよう、誰かが3、4本の竹の枝をティピの骨組のように砂に突き刺して巣を保護しようとしている。 あるいは、野鳥観察のための目印なのかもしれない。 その行為は、一見自然保護のように見えるが、ヒトが立ち入ることで、親鳥たちにはたいへんなストレスを与えていることだろう。 それにふ化したヒナはその場を離れ、何もない、ただの砂のくぼ地にいることが多く、竹のしるしは役に立ちそうにない。 ヒナは砂のような保護色になっているので踏み潰しそうになる。自然界では外敵には見つかりにくいのかも知れないが、近付いてもじっとして逃げもかくれもしないで死んだように見える。 敵が近づくと「石のマネをする」と言われているが、それはヒトの考えだろう。 親鳥の不在中は静かに親の帰りを待っているだけで、ムダに体力を消耗しないように本能的にそうしているのだと思う。 海岸を4WD車などで走り回ったり、深夜の花火などで卵やヒナが踏み潰されることも多いという。 アジサシははるばる南方から飛来して繁殖にやってくるらしいが、温暖化による砂浜の減少や破壊など、ウミガメ同様、ここでもヒトによってアジサシの環境が脅かされているという。 せっかくやってきて産卵を済ませても、子育てを放棄しその年の繁殖を諦める場合もあるという。 種によっては絶滅の危機に瀕しているとも。 普段、コロニーは穏やか。静かに抱卵、あるいはエサを運んでヒナに与えたり懸命に子育てに励んでいる。 しかし、いったんヒトやトンビなど外敵が近づくと大変な騒ぎになる。 「ピーチクピーチク」騒々しく威嚇の鳴き声とともに一斉に飛び立ち群を作って外敵に向かって、まるで特攻隊、戦闘機のようにつぎつぎ不法侵入者攻撃を開始する。 私には「あっち行ってよ、近づかないでッ!!」と必死に、しかもヒステリックにさえ聞こえる。 “母は強し”と言うか、オスもいるのだろうけど、野生むき出しでコロニーを死守しているのだ。 一番陸側に 釣り人が通る道がある。 私も釣り場に向かう途中、たびたび攻撃される。 ところで、鳥にとっても糞を“イヤなもの”と認識しているのか(定かではないが)頭上すれすれをかすめ糞爆弾をあびせる。 じつにけなげというか‥‥‥ 私の帽子にはアジサシの糞が数カ所へばりついている。 大きなトンビでさえその勢いにはたじたじらしく、ついには追い払ってしまうのを目撃した。 釣れない日に思う。 「アジサシも苦労が多いことだろう‥‥‥」 釣れない日というのは小魚も少ないからだ。 最近はできるだけコロニーから離れてこそこそ歩くようにしている。 (~_~;) この日記を見たからと言って野鳥観察になど行かないようにしてくださいネ。 鳥たちはとてもナーバスで傷つきやすいのです! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[釣りとアウトドア] カテゴリの最新記事
こんにちは。
いつも釣りの話を楽しく拝見しています。 今回はアジサシの繁殖場所<コロニー>の話、大変興味深く拝見しました。 糞爆弾をあびせられないように、これから何事も気をつけて行動したいもんです。 (June 23, 2007 10:34:00 PM)
『ターボー』さん
ありがとうございます。 謙虚に自然のなかで遊ばせてもらいたいと思いますが、釣りもすでに破壊的行為かもしれませんね。 釣れた魚を見て、釣りを止めようかとときどき思います。 (June 23, 2007 10:50:31 PM) |