カテゴリ:80年代女性ソロ
57年マニトバ生まれのシンガー/ハープ奏者/コンポーザー/アレンジャー。 前回取り上げたヴァン・モリソン&チーフタンズ「アイリッシュ・ハートビート」でやっていた曲が、いくつかここでも登場しているというつながりです。 具体的には2と5で、ことに5はリードで歌ってるのがロリーナさんではなくゲストのセドリック・スミス(どうやらカナダの俳優兼フォークミュージシャンらしい)ということからも、ヴァン&チーフタンズのバージョンを連想させます。 まあ私自身は先に買ったのがこっちで、あとからかったヴァン&チーフタンズの“キャリックファーガス”を聴いて「ロリーナさんのと雰囲気似てるなあ」と思ったクチなのですがね。 20代後半でデビュー作か…何かありげだぞわくわくドキドキと少し期待しておりましたら、以前は舞台女優としてシェイクスピアを演じたりもしていたみたい。 張りのある強い高音はそのときに培ったものかなあ、著名な詩人の作品に曲をつけて歌っているのもその影響あるのかも。 もう、フォーク系シンガーとしては抜けた歌唱力を持っているんじゃないかと。ライブ盤では歓声が入らなければ即座には実況録音ってわからないもんね。 音域は広そうだけど、映えるのはやっぱりソプラノ。跡付けのようながんばって高音部振り絞ってます感がまったくなくて、ごく自然に伸びやかに歌ってる。 民謡をたくさんやってたり、曲調が好みというのもあるんだけど、ロリーナさんを買う理由には声が大好きというのもあるのだ。 次作以降は自作曲も増えていくけれど、ここではまだトラディショナルがほとんど。 1や2のような人気の高いものもあるけれど、個人的には6がお気に入り。どこか短調な旋律とゆったりしたテンポが落ち着けるんだよね。 ラスト9はダグラス・キャンベル(やっぱり俳優)の朗読にロリーナさんのスキャットがまるで「ロード・オブ・ザ・リング」だなあ。といってもこの映画、第1章しか見てないんだけど、テーマ曲はロリーナさんが作っても素敵なものができたかもしれないなあ、と。 何種類か楽器やってますが、ハープと鍵盤を弾くことが多いみたいです。弾き語りというとギターやピアノを思い浮かべるけど、彼女はそれをハープで実行。素朴でわずかに悲壮感漂うハープの響きが美声とよくマッチしてます。 このあと10枚弱の作品をリリースしていますが、98年に婚約者が水難事故で亡くなり沈黙。ライブ盤こそ99年に出しましたがスタジオ盤完成の噂は入ってきていません。 しかし今世紀に入ってからはコンサートの舞台には立つなど、復帰はしているみたいです。今年に入ってからは7枚目のスタジオ盤の制作に着手したという嬉しいニュースも入ってきています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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